ラドー ワールドトラベル 完結編?

ラドーワールドトラベルの続きです。完結編のつもりで書いています。

これまでにわかったのは、ローターによりゼンマイが巻き上げられている間に止まりが発生するという

ことでした。ローターを取り付けてあっても平置きしていれば止まらない、着用していても

ローターがなければ(巻き上げていなければ)止まらない。巻き上げている時にはローターから

自動巻のモジュールを経由して地板側の角穴車にトルクが伝わり、香箱真を回す。この過程で

何かが香箱の回転または輪列の回転を阻害しているはずです。

それがなんなのか、この一週間思い出すたびに考えていました。今日もいろいろ試して、結局

止まるのですが、あることに気が付きました。

四番車の全体にオイルがべっとり付いているのです。これは実は、だいぶ前に気が付いていて、

拭き取っていたのですが、それがまたどこからか湧いたように付着していました。これだけ多量の

オイルがあるのは香箱しかない。そこで香箱を取り出し、拭き取りました。そして四番車もきれいに

したのですが、三番車にも同様に付着していることがわかり、こちらもふき取りました。

ここで考えたのは、しみ出してきたオイルが四番車と三番車を貼り付かせ、抵抗になったのではないか

ということでした。これが正しければ、余分なオイルは拭き取ったのでもう止まらないはず。

しかし、一時間たたないうちに止まりました。これが原因ではなかったわけです。

それでも、メービスの8200は私の期待する特性を持っていないこと、あまつさえ香箱から漏れだして

他の部品に付着する可能性があることから、今後使用すべきでないことがはっきりしたのは収穫でした。

まあ、漏れ出すほどたくさん入れた自分に非があるのも確かですが。


さて、話を戻します。

香箱から漏れ出したオイルがあれだけ拡散するということは、四番車と香箱の隙間がかなり狭いはず。

ここが干渉して止まるのかもしれない。地板側の角穴車と香箱の間にはバネがあって、若干ですが

押し上げる力が働いているはずなので、巻き上げ中に香箱がせり上がり、四番車と干渉する可能性がある。

なんてことを、漏れたオイルふき取り後のランニングチェックをしている時に考えていましたので、

一時間しないうちに止まった後、真っ先に角穴ネジを押してみました。

すると、押したとたんにテンプが振動を始めました。

原因は、香箱のアガキが大きいことでした。このため香箱が一番受け側に動いた時に四番車と

干渉し、止まりに至ったわけです。

対策は一番受け修正です。どういう修正をしようか考えましたが、一番簡単なのはホゾ穴周辺を

角穴車側から叩いてへこませることですので、それで行くことにしました。例によって塩梅が

わかりませんが、とりあえず3回叩いて取り付けてみたら、香箱が下がって四番車との隙間が広がったのが

確認できたのでこれで良しとしました。

その後1.5時間くらいの装着テストで止まったのでさらに一番受けを修正しましたが、まだ止まります。

なぜなのかを考えながら香箱をつついていたら、一番受けの穴の中で香箱真が動いています。

縦アガキより横アガキの方が影響が大きそうなことがわかりました。

そこで、セイコー5でやったみたいに穴を締めてみました。一度目はまだガタがあったのでもう一度

締めたら、今度は締めすぎて香箱真が入らなくなってしまいました(^_^; どうしよう

そんな時に1581が1700に似ていることを思い出し、バラしたままの1700の一番受けと比べてみたら

どうも同じようなので交換することにしました。しかしこちらも穴が大きいようです。少しだけ

穴を締めて、組み直しました。
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今のところ止まっていませんのでこれで解決と考えています。もしこの先止まっても、もう手を

つけないことにします。