SEIKO Sportsmatic 5 21J 6619-8180

新春第二弾はセイコーのスポーツマチック5 6619-8180です。昨年9月に6619-8140を

やったばかりですが、お付き合いください。どうしても入手する時計に偏りが出てしまうのです。
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状態は、御覧の通り風防のヒビがすごいこと以外は普通です。ブレスに万年カレンダー

ついていて、汚れだらけですがまだ使えそうなので、これも分解掃除することにします。


裏蓋を取り外しました。合わせ面付近はやはり錆が溜まっていますが、機械への浸水は

ないようです。この年代にしてはきれいな機械です。
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曜車、日車もきれいです。
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曜車の下もきれいですね。
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どんどん分解していきます。
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日の裏側が終わったら、表側に行きます。どんどん分解していきます。
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分解が終わったら洗浄して、組み立てます。香箱は分解しましたが、オイルは今回田宮の

モリブデングリスを使いました。8200はもう使わないつもりですが、田宮のグリスも今一つなので

次のグリスを探さなければなりません。


表側から組み立てていきます。まずは香箱から雁木車までの輪列を取り付けます。

四番車はアガキ調整用のワッシャーがありますので忘れずに。
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受けをかぶせてザラ回し、エピラム処理したアンクルをつけ、角穴車を取り付け、動作チェック。

問題ないのでテンプを取り付けます。
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自動巻きモジュールを組み立てて、受けに載せてねじ止め。
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ここで一度日の裏側に行き、部品を取り付けていきます。
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日車躍制レバーの反対側の壁にオイルを少量塗っておきます。

文字盤と針を取り付けたらケースに入れてローターを取り付けます。
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風防はヨシダの互換品に交換しました。肩が尖っているところがいやで純正を生かしたかった

のですが、一か所割れているところがあるのでやむを得ず交換しました。

ガスケットはパリパリだったので除去せざるを得ませんでしたが、かといって交換部品が

あるわけでもないのでOリングを入れることにしました。これは防水のためではなく、機留めの

代わりです。本来のガスケットが機械を押さえつける役目も持っている(らしい)からです。

また、雨や手洗いの水滴くらいは跳ね返したいので、裏蓋のふちにA★Fの

"Magic Seal"を塗りました。これはずっと前から必要に応じて使ってきましたが、書くのは

初めてかな?

本体はこれでほぼ完了しました。次に万年カレンダーのメンテです。メンテ前は汚れが

厚く堆積しており、カレンダーを動かせない状態でしたので、
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ばらせるところは全部ばらしてじっくり洗浄しました。カレンダーの帯はもちろん優しく手洗いです。
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これらを組み立て、軸の摺動部に注油して完成。
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これは構造を見ると万カレ単体ではなく、ブレスと一体の製品のようです。

'71年ころの製品と思われます。

このブレスを6619-8180につけて完成。
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しかし悲しいことに、ほんの少し短くて使えません(右手なら何とかなる)。万カレだけ使える

方法を考えることにします。