SEIKO LM SPECIAL 23J 5216-7080

またまたセイコーの時計です。今回はLMスペシャル 23J、5216-7080です。

52系は一度記事にしたことがあります。5206でした。

5206と5216の違いを調べてみましたら、5206に対して

1. 瞬間送りカレンダーを廃止して簡略化、早送り禁止時間帯解消

2. アオリ装置、微動緩急針を持つテンプ

が大きな違いのようです。


まずは外観から。
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ケースは「G構造」と呼ばれる構造で、ケース内側からベゼルを押し出す必要があります。

以前、G構造のLM分解で近所の時計屋さんの世話になった反省から、こま外しセットを

入手しておいたので問題はありません。

風防の傷がやや多めですが、汎用ガラスに替えるほどでもないと考えました。ベゼルを磨くため

風防を外そうとしましたが、茹でたくらいでは取れませんでしたので、風防をつけたまま

磨くことにしました。

だいぶ殺風景になっている裏蓋を外すと、まだまだきれいな機械が出てきました。
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機械をケースから出して針と文字盤を外したところです。
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日車、曜車を外します。写真右側がカレンダー送り機構ですが、5206よりはだいぶ簡略化

されていることがわかります。
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竜頭回りです。56系の揺動レバーに似た部品があります。名称も同じですが、この部品自体には

早送り禁止時間帯に早送りしようとした時の破損防止機能はついていません。
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日の裏側の分解が終わったら表側の分解に入ります。
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テンプに微動緩急針とアオリ装置(ドラえもんの腕のようなやつ)が見えます。

受けを外したところ。秒カナをばねで押さえつけるタイプです。けっこう強い力で押さえつけられて

います。
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秒針規正レバーとばねです。
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表側もすべて分解が終わりました。香箱は、ぜんまいの滑りは悪くないのでぜんまいの取り出しは

せず、グリスの追加のみとしました。

その後部品を洗浄し、組み立て開始です。受けをかぶせる前に取り付けなければならない部品を

取り付けます。けっこうたくさんあるので、取り付け忘れがないように注意が必要です。
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受けをかぶせて自動巻きの部品を取り付け、アンクルを取り付けます。角穴車が日の裏側に

あるためゼンマイが巻けませんので、アンクルチェックはまだできません。
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ひっくり返して日の裏側の部品を付けていきます。馴染みの薄い構造なので、ちょっと時間が

かかりました。
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アンクルチェックをやって、テンプを取付けようとした時、ひげゼンマイの異常に気付きました。
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螺旋が偏っているようですので修正します。こんなもんでしょうか?
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テンプを取付けて、表側はほぼ完成。
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引き続き日の裏側の続きをやります。
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機械に文字盤と針を取り付け、ケースに機械を入れてローターを取り付けて
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完成です。風防は水ガラスを2回塗りました。深い傷は少ないので、これくらいで妥協です。
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