SEIKO 5 ACTUS SS 23J 6106-5440

以前、裏蓋がアクタスのものなので機械が固定できず、竜頭もおかしい5デラックスをやりましたが、

その時に巻真を移植しようとしたけど外せなかった分解待ちのアクタスSSがありました。

こちらにもどう考えてもオリジナルではなさそうな竜頭がついていたので、使えるかもしれないと思ったのです。

しかし、巻真の抜き方がどうしてもわからない。やむを得ずこちらはそのままにして、5デラックスの作業を

続行したのでした。



というわけで、巻真が抜けないのがどうしても気に入らなかったので、また6106ですがやっつけることにしました。

今回のアクタスはスクェアというよりTV型というのでしょうか?横長のレクタンギュラーです。
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以前に巻真を抜こうとしましたので、ケースはすでに分離しています。

外し方は、12時側のラグの間に二か所穴が開いているのでそこに細いドライバー等を差し込んで、

押しながらラグを引き上げます。専用工具もあるようですが、実物を見たことはありません。

このケースの構造ですと、巻真が抜けない限りは機械をケースから出せないはずですが、

文字盤が固定されていなかったため、ケースに入れたまま分解を続けることができました。
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前所有者が何をやりたかったのかわかりませんが、こんな時計を持ち込まれたら時計屋さんは

いやがるでしょうね・・・

写真右上に丸くくりぬいた場所があります。本来はここに巻真を抜くためのレバーみたいなものが

あったはずですが、それらしいものは見つかりません。そういうものがついていたような感じもありません。

曜車、日車を外しました。すると、見慣れぬ部品を発見(裏押さえの上にあるやつ)。
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これが巻真を抜く時のレバーだと思います。これだけでいいのかどうかはまだわかりません。

日の裏をばらして巻真を抜き、ケースから機械を出しました。このケースのチューブ内径は

これまで見たことがないほど大きく、付いていた竜頭では隙間がありすぎて防水どころか

水やゴミが入りまくりです。
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分解を続けます。

日の裏側もそうでしたが、表側も油が多めです。ひげゼンマイがぐちゃぐちゃに見えたので

いやになりかけましたが、ここにまで油が回ってひげ同士がくっついていただけということがわかり、

ほっとしました。
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香箱のスリップチェック結果は特に問題を感じませんでしたが、ふたを開けたらこんな感じ

だったので、洗って宙にし直すことにしました。
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洗浄が終わったので組立開始です。輪列を載せます。秒針規正レバーを忘れないように。
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受けをかぶせてざら回し、アンクル・角穴車をつけてテンプをつけます。
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自動巻きモジュールは機械台の上で組み立てると楽ってことに最近気づきました。

みなさんはすでにこうやってました?
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このモジュールを一番受けの上に取り付けます。このあと日の裏に行きますが、

ケースに入れる前にローター取り付けを忘れないように。
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忘れるのは自分だけかもしれませんが(^_^;

巻真周りを組み立てました。オシドリを引き上げるレバーは、こうなるのが正しいようです。
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残りの部品を組み付けます。日車を取り付ける直前の状態です。
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曜車まで取り付けました。ここでカレンダー早送りチェックをしたところ、曜日が全く動きません。

曜車や早送り爪には問題がないみたいなので、前の5デラックスのこともあるので巻真をよく見てみたら

巻真と竜頭のねじ込み部に接着剤の塊のようなものがあり、これが干渉して巻真を押し切れていない

ことがわかりました。巻真は最初から交換前提で考えてましたので、よく見てませんでした。

日車、曜車をつけて

文字盤を取り付け、ケースに入れて針を挿します。ガスケットを載せて、
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風防を載せてトップケースをかぶせて押し込んで完成。
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雰囲気は悪くないですよね。汎用品の竜頭では役立たずなので、専用品を見つけなければならないのが

面倒です。いささか、こういうのに疲れてきました(^_^;