TUGARIS SEA DRAGON 60J
多石マニアのみなさん、お久しぶりです。本日は60石がおごられた時計をご紹介します。
TUGARISのSEA DRAGON 60Jです。分解前の状態は不動。外観はベゼル摩耗、竜頭がシチズン。
文字盤劣化。裏蓋にはメダリオンがしっかり残っています。
機械はETAの2452でした。この番号は初めてだと思います。
なんだか、石の場所がすでに分かってしまったかもw
自動巻きモジュールを外します。このタイプはローターが裏側からねじ留めされています。
ひっくり返すと、ルビーがいっぱい。切換車と伝え車に合計43個のルビーが使われています。
蓮画像が苦手な人は閲覧注意ですね(遅いか)。
ケースから機械を取り出し、分解開始です。まずは針と文字盤を外して日の裏から。
カレンダーは徐々に切り替わるタイプですので部品は少なめ。ルーレット日車です。
歯車が変色してますが、さびや汚れの塊はなさそうで、不動の原因は不明。
表側です。いわゆるETA輪列。こちらも汚れやさびはありませんでした。
ただ、テンワの組み付け位相が正しくなく、振動しない状態だったので不動だったようです。
香箱をチェックしたところ、ややざらつき感があったので分解して注油しなおすことにしました。
中はきれい。スリッピングアタッチメントと主ゼンマイが分離している古いタイプ。
洗浄後自作8201改を塗布して組み直し、スリップチェックをしたところ、大変滑らかになりましたが、
どうも完全に巻き上がる前に滑っている模様。戻してみると3周しか回りません。
通常6,7回転はしますから、3回転ではパワリザ不足です。
そこでまた分解してスリッピングアタッチメントを平らに伸ばして再度組み付け。
しかし、変化なし。もう一度トライしましたが、やはり変化なし。スリッピングアタッチメントがへたっていて、
伸ばしても香箱に入れるとすぐ丸くなってしまうようです。
そこで、自作8201改は使わず、8200オリジナルを使用。これで完全に巻き上がるようになりましたが、
分解前の最初と同じ感触。無駄な時間を使ったかなと思う反面、モリブデンの効果を実感しました。
その後、輪列側から組立開始。特に問題なく組み上がりました。
日の裏側も特に問題なく組み付け完了。
文字盤と針を取り付け、
ケースに入れて、予め組み立てておいた自動巻きモジュールを取り付けて
完成です。
ベゼルは、最初めっきが剥げて地の銅合金の色が出ていると思ってましたが、磨いてみたら
銀色になったので、地はステンレスかと思いました。しかし、明るいところで見ると金色がかっているので
ステンレスベゼルではないようです。
作業内容
風防:紙やすりで傷取り後サンエーパールで磨き
ケース・裏蓋・ベゼル:グラインダーで傷取り面出し後、リューターで仕上げ(白棒青棒)
ムーブメント:分解・洗浄・注油(9010、D5)
香箱:分解注油(スリッピングアタッチメントのへたりにより自作8201改では滑りすぎるため8200オリジナルを使用)
ガンギ車・アンクル:エピラム処理後稼働させてから爪石に9145/2を塗布
切換車:回転部に9010をごく少量塗布
巻真周り:モリコートDXペースト塗布
風防:紙やすりで傷取り後サンエーパールで磨き
ケース・裏蓋・ベゼル:グラインダーで傷取り面出し後、リューターで仕上げ(白棒青棒)
ムーブメント:分解・洗浄・注油(9010、D5)
香箱:分解注油(スリッピングアタッチメントのへたりにより自作8201改では滑りすぎるため8200オリジナルを使用)
ガンギ車・アンクル:エピラム処理後稼働させてから爪石に9145/2を塗布
切換車:回転部に9010をごく少量塗布
巻真周り:モリコートDXペースト塗布
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