SEIKO SPEED TIMER 6139-6000 (ケース編)

久しぶりの分解です。久しぶり過ぎて、作業手順を忘れている可能性が大なので、少しでもミスを減らすため

今までにやったことがある機械計を選びました。それがスピードタイマー6139-6000。

ペプシカラーのタキメーターベゼル、回転するインナーベゼルリングが特徴です。
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ケースの傷みはあまりありませんが、風防が内側から曇っていますし、針の劣化が目立ちますので、

過去に水分の侵入があったのかもしれません。

しかし、裏蓋を開けてみると、機械は結構きれいでした。
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ケースから機械を取り出します。針は傷んでいますが、夜行塗料が黒くなっていないので、

前にやったものよりはきれいに仕上げられそうです。

文字盤はインデックスが針同様腐食していますが、まあまあきれいですね。
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巻真です。見慣れぬ歯車とばねがついていますが、これは竜頭でインナーベゼルリングを

回転させるためのもの。
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こんな風にインナーベゼルリングの裏側の歯と巻真の歯車がかみ合っています。
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ケースをばらしました。裏蓋やプッシャーが写っていませんが、これらがケースの構成部品です。
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今回は、ある事情によりケースの清掃と研磨から手を付けていきます。

磨くのはケースのサイド、ラグ上面などのポリッシュ部分と裏蓋全面、ベゼルのポリッシュ部分です。

磨きの結果は、いつも満足いくものではありませんが、普通に使う分においては気にならない程度には

なっていると思います。ジャンク品ですと打ち傷が多いわけですが、この傷を消そうとする

とかなり大変なのはやったことのある方ならわかると思います。リューターなどで磨くと傷の面積が

広がっていくし、さらに根気よく磨けば傷はわからなくなりますが面がおかしくなってしまう・・・

ていねいな作業を根気強く続ければいいのかもしれませんが、こらえ性がないのでしばらくすると

ずさんな作業になってしまいます。

ということで今やっている方法は、両頭グラインダーに版画用板を丸く切ったものを取り付け、

そこに青棒をつけて磨くというものです。この方法は広い平面を磨くのには有効ですが、

狭い面を磨くのには多少慣れが必要です。また、ラグの裏など凹面は磨けません。

見た目は平面に見えても、実際にはわずかな凹面になっている面もあって、これを真っ平らに

してしまうと雰囲気が変わってしまいます。逆に凸面は意外に気になりません。

版画用板が新しいうちは青棒だけでぴかぴかになるのですが、すぐにだめになります。

ですので、この方法は傷取り面出しと割り切って、この後にリューターを使った仕上げを行います。

リューターを使った磨きも、みなさんそれぞれ独自の方法を編み出して実施していると思いますが、

私の場合は直径25mmくらいの羊毛パフを使い、まず傷取り面出し時の荒れを白棒で取り、

その後青棒で中仕上げ、そしてピンク棒で最終仕上げをしています。
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ピンク棒というのは某ホームセンターで見つけた貴金属磨き用のもので、商品名は

ピンク棒ではありませんが、忘れてしまったのでそう呼んでいます。

研磨剤も同じ緑色でもメーカーにより違いがあるようで、青棒では細かい磨き傷が

消えなかったのでピンク棒を使っています。


磨きが終わったら組立、と行きたいところですが、文字盤の12時とベゼルのトップをしっかり

合わせたいため、最後にします。クロノ針を挿す時に必要になる可能性があるというのも

理由の一つです。

風防はガラスですが、大きな傷はないのでキイロビンで表面を磨いて、細かな傷のエッジを

なだらかにして水ガラスを一発。
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以上でケース編は終了です。次回は分解洗浄編?








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