RADO Golden Horse 30J AS 1789
今日はラドーゴールデンホース30Jです。同じゴールデンホース30Jでも、載せている機械は
いろいろあったりしますが、今回のものはAS1789を積んでいます。
さっそく分解を始めます。
まず裏蓋を開けます。機械はAS1789ですが、けっこうきれいですね。
裏蓋の裏にはOHの年月を記入するシールが。こんなものを用意できるのは
それなりに規模の大きい時計店か修理業者でしょうね。近江さんかな?
印をつけられているのが20と6,7のところなので、平成20年6-7月のOHという
ことでしょうか。
文字盤を外しました。日の裏はきれいです。
ただ、よく見ると日車押さえのねじが1個ありません。
それ以外は特に何もないようです。
AS1789は、オリジナルは25Jまでのようですが、30Jとするために
こういうところに飾りの石を入れています。
30, 41, 57, 66, 100などの多石モデルは大体こんな感じと思って
差支えないと思います。
その日の裏車を取ると、その下が油でべっとりであることがわかりました。
こりゃちょっと多すぎですよね。
ということで、次に表側です。こちらは問題ないように見えますが・・・
自動巻きを外したら、その下にもオイルがたまっていました。
角穴車を外したら、もっと大変なことに。
黒っぽいので、香箱から出てきたのかもしれません。
部品が重なるような部分にオイルがたまっていました。特に香箱の下がひどいです。
香箱は、スリップチェックの結果はOKでしたが、開けてみたらこんな感じ。
ゼンマイを取り出さずに洗い、そのあとにオイルを入れたという感じです。
ここはいつも通り、全部ばらすことにします。
洗浄が終わったら組み立て開始。地板にインカブロックとガンギ車の保油装置をつけ、
ひっくり返して香箱下の歯車を取り付けました。
そして輪列を取り付けます。
一番受け、三番受けを取り付けてザラ回し。
どちらの受けもノックピンがきつくて、かぶせるのに苦労しました。
その後、アンクル、丸穴車、角穴車、テンプを取り付けます。
自動巻きのモジュールを組み立てて
機械に載せて、日の裏に移ります。
元通り組み立てていきます。特に変わった構造はありません。
文字盤をつけ、0時にカレンダーが切り替わるように針を挿し
ケースに入れて
完成。
メッキケースは剥げがわずかなので、軽く磨くだけにしました。楽ではありますが、
逆に何かしたくてもできることがありません。
それにしても・・・
シールの年月を信じれば、最後のOHは平成20年7月ころ。
インカブロックに油は全くなし。
広い面積で部品が接触しているところには大量の油。
特に香箱周りは香箱からの油が漏れだした様子。
どんな経緯でこうなったんでしょうね・・・