CYMA  の手巻き時計 Cal. R.457

CYMA  の手巻き時計 Cal. R.457
今回はCYMAの時計です。最後にCYMAの時計を分解したのは一年前のことです。

あの時計はひげゼンマイを壊してしまって、不動のままになっています。

あの記事の中でも書いていますが、別のCYMAが主ゼンマイ破損のため分解されたまま

やりかけになっていました。

それにようやく手を付ける気になりました。


まずは外観です。
イメージ 1
イメージ 2


ケースがクロムメッキですが、だいぶ傷んでいますので交換します。
イメージ 3


実はだいぶ前に用途が明確でない状態で落札しちゃってたケースが、ようやく日の目を見るわけです。

裏蓋を開けます。
イメージ 4

機械はR.459。わりときれいですね。機留めねじを外したらベゼルを外します。
イメージ 5

文字盤はそこそこ傷んでいますが、直しようがないのでこのままにします。

日の裏はごみが多いですが、問題はないようです。
イメージ 6


吉車の歯が、はす歯になっています。珍しいですね。
イメージ 7



次は表側です。まあまあきれいです。まずは出車を外します。
イメージ 8


しかし、分裂してしまいました。後でくっつけることにします。
イメージ 9


輪列です。並び方はスモセコの機械と同じですので、二番車~ガンギ車までがきれいに

並んでいます。
イメージ 10


香箱のふたを外しました。それほど汚れていないようですが、実は外端が折れている状態でした。
イメージ 11


そのため、約1年間このまま放置されてきたわけです。それから何か月か後に部品取り用の

ジャンクをゲットしたのですが、他の時計をやりたくて、さらに半年以上放置が続きました。

最近になって分解待ちの列も終わりが見えてきたので、手を付ける気になりました。


これがドナーから取り出した香箱です。中はきれいだし油も十分残っているので、このまま

使うことにしました。自動巻きだったらやり直しますが。
イメージ 12


出車を修復し、他の部品を含めて洗浄します。
イメージ 13


まず、地板に緩衝装置と保油装置を取り付けて注油します。
イメージ 14


そしてひっくり返して輪列を組み付けます。
イメージ 15


受けをかぶせてザラ回し。角穴車、丸穴車、アンクルを取り付けて動力伝達チェック。
イメージ 16


そしてテンプ取り付け。テンプ受け側の受け石の押さえ方がこのCYMAFLEXの特徴ですね。
イメージ 17


前回はこれがわからず、変なことをしてひげゼンマイを壊すことになったのでした。

出車、秒カナを取り付け、表側は完了。
イメージ 18


日の裏側は、特に珍しいところもなく、部品点数も少ないのですぐ終わります。
イメージ 19


文字盤と針をつけて
イメージ 20


未使用のケースに入れて
イメージ 21


完成です。
イメージ 22


竜頭も新しくなったので、巻真を少しカットする必要がありました。

長さが足りなかったら大変なことになるところでした。