45KSその後

先日、ピシっという音がして動かなくなった45KSジャンクですが、ようやく香箱を取り出す気になりました。

補修したところが弾けていると思っていたのですが、取り出してみるとなんと、見た目は変わっていません。

とすると、考えられる理由はひとつ。

これは前回記事に書かなかったのですが、実は某店から取り寄せたゼンマイの内端の巻き径が大きく、

香箱真がスカスカという問題がありました。某店にどういうことか問い合わせたのですが、一週間待っても

何も返事をよこさないので、店と縁を切ることにして自分で内端の小径化を試みました。

しかし、香箱の中にゼンマイを入れたままの作業だったので、うまく縮めることができず、かろうじて

引っかかるようないびつな形になってしまいました。引っかかっていればいいやとそのまま組んで

しまったのですが、たぶんそれが外れてしまったのでしょう。香箱を開けてみたら、案の定でした。


そこで、再度小径化を試みますが、これも香箱内でやったもんだから、引っ掛けの穴があいたところに

無理な力がかかって折れてしまいましたよ。馬鹿ですね。

ここで諦めればよかったのですが、またゼンマイを注文。今度は違う店です。

届いた品物は、前回の店の取り扱い品と同じらしく、同様に内端径が大きい。「小さいのをよこせ」と言っても

出てこないのは多分間違いないので、香箱に入れる前に小径化。今度は何とかゼンマイを壊さずに

作業が完了しました。

で、これを香箱に入れて、地板に取り付け、残りの部品を取り付けて形にし、はやる心を抑えて

手巻きを開始。ジーコジーコ、とりあえず最後まで巻き終わりました。

この時点ではまだ時計は動き出しませんでしたが、45の特徴として始動しにくいところがあるので、

時刻合わせをすれば動き出すだろうということで針を回そうとしました。

しかし、手に伝わる感触は、異常以外の何物でもない。まともに竜頭が回らないのです。

とりあえず針回しはあきらめて竜頭を押し戻しました。ここで秒針が動き始めるはずだったのですが、

悲しいことに針は微動だにせず。

香箱を出し入れした時に何かやっちまったのか?とりあえずまた裏蓋を開けます。

香箱受けと香箱を外し、その状態で竜頭を回してみました。竜頭を押し込んだ状態および

一段引きの状態では問題なし。しかし、二段引いて針回しをしようとすると、さっきの感触が。

輪列を見ると、二番車がわやわやと動いています。えっーーーー!

まさか・・・と思って二番受けを外し、二番車のホゾをチェックしたら

やはりホゾがなくなっていました。なぜ・・・なんで今ホゾが折れるの?
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でも、ちょっと考えたら推測できました。香箱真とゼンマイ内端の引っ掛かりが外れたのって、

外から見たらゼンマイ切れと同じですよね。その衝撃で、香箱ではなく今度は二番車が

やられてしまったのでしょう。

ああ、最初に内端の小径化をもっと慎重にやっておけばこうならなかったはず。

まあ結果論ですけど、ここぞというところで慎重さが足りないのは自覚がありますね。


二番車を注文しようかとも考えましたが、十分お金は使ったし、勉強になったので、

何かの好運で部品が手に入るまで、この時計は封印することにします。