ブライトリング モンブリランダトラに似た時計
ブライトリングのモンブリランダトラに似た時計です。私の所有物です。
これも割とお気に入りで、ブラックバードと同様、本物への道をたどりかけたこともありましたが、
今は沈静化しています。噂によると現行モデルのディスコンが決まったらしいので、
近いうちに新ムーブで出てくるのかもしれませんね。
基本的には現行モデルのイメージのまま出てくると思いますが、
現行モデルは個人的に針の形状が今一つなんですよね。
それはさておき、この時計は以前に一度分解しているのですが、手巻き時にローターの共回りが
ひどいので、何とかしなければいけない状態でした。また、針が一部曇っているのも気になっていました。
さらに、右も左もよくわからない頃にやってますので、いろいろダメなところがあると思います。
そこで、思い切って再度分解することにしました。ケースは十分きれいなため、いじる必要がないので
気が楽です。
まずケースから取り出します。機械とスペーサーが2個、スペーサーとケースが3個の機留めネジで
固定されていました。文字盤は弓形のロック金具で固定されています。2つのうち1つは一部が欠けていて
地板から脱落してしまいますが、干支足留めの機能はかろうじて維持しています。
機械は一部の部品の形状が違うのと、振動数が違いますが、ETA7751のほぼ丸々コピーと思われます。
それでは日の裏から分解していきます。文字盤の下には曜車、月車とそれらの躍制レバー類があります。
6時位置に何かが付きそうなスペースがありますが、ここはムーンフェイズ関係の部品がつくところです。
ダトラにはムーンフェイズ機能はありませんので、部品もついていません。
これらを外してからカレンダー受けを外しますと、なじみのある部品、ない部品が出てきます。
カレンダー受けを外した時に、あらぬところに移動してしまった部品もあります。
主な顔ぶれを紹介すると、一番下の歯車は12時間積算計、その右の白いくの字がそのストッパー、12時間計の
左上が摩擦車、その左上が24時間表示の筒車です。これらを一部を除いて取り外します。
摩擦車は輪列側にある二番車の軸に圧入されていますが、これを抜く時に地板のルビーまで抜けてしまいました。
最初に分解した時も同様でした。これはあとで圧入します。
次に表側です。自動巻き受けから外していきます。
この受けを外すと、いくつかの部品が飛んでいきます。スタートボタンを押しておくと、飛距離が短くなります。
真ん中においてある部品がスイングピニオンと呼ばれる部品です。7750系の特徴的な部品ですね。
大きいほうのカナが四番車にかみ合っていて、反対側がボタン操作により秒クロノグラフ車に噛み合ったり
離れたりしますが、四番車側は動かず秒クロノグラフ車側だけが動くことから「スイング」ピニオンというわけです。
軸を傾けて動力を伝達・切断するというのは、頭が柔らかくないと思いつかないかもしれません。
輪列です。今回なぜかピンボケが多いです。ピンボケ写真は小さくしました。
香箱は、チェックの結果それほど悪くなかったし、中も汚れはなかったのでそのままにしました。
部品の予洗いが済んだところで、摩擦車と二番車の間のルビーを圧入します。
本洗いがすんだら、巻真周りから取り付けました。
ひっくり返して、輪列を取り付けます。
受けをかぶせてザラ回し、アンクル取り付け、丸穴車、角穴車を取り付けてアンクルチェック。問題ないので
テンプを取り付け。順調です。
間をだいぶすっ飛ばしてしまったような気がしますが、自動巻き受けをつける直前の画像です。
受けを取り付けます。
そして、緑矢印の示す二つのバネを取り付けます。
これらは、自動巻き受けをかぶせる前に取り付けようとするとかなり苦労しますが、
後から取り付けられることをぜひ覚えておいてください。
日の裏側に移ります。まず摩擦車を圧入します。まわりの地板よりも低くなるようにします。
テクニカルドキュメントには0.5mmと書いてあったような気がしますが、
あまり深刻に考えなくていいと思います。
このばねの取り付けが、7750系の組み立てのクライマックスかもしれません。
カレンダー受けをかぶせた後にはつけられませんし、ここも腕が三本ほしくなる
作業です。
でも、本物の7750系なら、もっと部品の精度やつくりがよくて、取り付けやすいかもしれません。
それでも何とかセットできました。せっかくセットしたバネを飛ばさないようにカレンダー受けをかぶせます。
日付の早送りレバーやカレンダーの躍制レバー類を取り付けます。
曜車、月車などを取り付けて、次は文字盤の取り付けです。
文字盤、針が付きました。クロノグラフを作動させてリセットしても針がずれていないことを確認します。
ケースに入れてローターをつけて
完成しました。
切換車ですが、薄めたオイルをつけた場合ですと思いっきりローターが共回りしました。
そこで超音波洗浄してから取り付けましたが、まだ切換車の動作が不安定。
もう一度取り出し、パーツクリーナーの中で何回転もさせながら洗浄したものを取り付けたら
今度は共回りもなくパワリザも50時間ありました。
切換車のメンテについては、今回の件とほぼ並行で進めていた作業の結果、
だいぶ方向性が見えてきました。次回はそれについて書いてみたいと思います。
また、このパチダトラについて、約3年前に5回にわたって分解組立の模様を
書いています。3年前とあまりかわってねーな、という部分もありますが(^_^;
興味があったらご覧ください。