SEIKO 5 DX 25J 6106-8000

今回は私の好きなセイコーファイブDXです。過去に一度全く同じものを分解しているようです。
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好きなので結構数が増えていますが、なぜでしょう、テクノスのスカイライトみたいに

お腹一杯にはなっていません。ケースや文字盤が微妙に違うからでしょうか。

スカイライトもケースは微妙に違うみたいですが、ぱっと見は同じですので。


分解前の状態は、風防に多数の細かいヒビと、かなり深いクラック数個、機械的には不動。

ゆするとテンワが動くものの、弱弱しい。駆動力が伝わってきていない感じなので、

四番車の軸がさびて動かずみたいな原因でしょうか。
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ということで、分解に入ります。文字盤は、うっすらと変色が始まっていますが、まだ目立ちません。

曜車、日車もきれいです。
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日の裏をどんどん分解していきます。曜車、日車を受けて摺動抵抗を減らす目的と思われる

ルビーが計6個ついています(黄色丸)。
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分解途中で香箱真のホゾが見えますが、そこに緑青のような異物が(赤丸)。

ここがこういうさび方をしているのは初めて見ました。輪列側から見るとこんな感じ。
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次に表側です。マジックレバーを外し、受けを外します。香箱の上面外周部にこすれた跡があります。
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受けの香箱真ホゾ穴が摩耗して香箱が傾くためにここがこすれるようです。

これまでに分解してきた6106とか6119などはほとんどこうなっています。

この系統の持病なんでしょうかね。


一通り分解が終わり、香箱チェックをしようとしたところ、全然抵抗がありません。

手巻きができないので気づくのが遅れましたが、ゼンマイが切れているようです。

この機械はけっこうやってますが、ゼンマイ切れは初めてでした。
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確か、アクタスSSのジャンクがあったはずなので、それから部品をもらうことにしましょう。
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あちこちガタが来ている個体なので、復活は諦めて部品取りと割り切ることにしました。

こいつから香箱一式を取り出し、チェック。問題はないようです。
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分解洗浄して自作8201改を塗布することにします。


洗浄後、組み立て開始。巻真まわりから組み付けを始めました。裏側に二番車のようなものが

見えるのは気にしないでください。
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裏返して、輪列を組み付けていきます。秒針規正レバーを忘れずに。
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受けをかぶせてザラ回し。OKなのでアンクルを取り付けて、角穴車を取り付けてゼンマイを少し

巻いてからアンクルチェック。問題ないのでテンプを取り付けました。
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そして、あらかじめ組み立てておいた自動巻きモジュールを取り付け。
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ひっくり返して日の裏を組み立てます。6106Aは日付の早送りを竜頭押しか針の戻し回しで

やれますが、曜日の早送りはできず、短針を2周進めなくてはなりません。これが弱点です。
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この後曜車、文字盤、針をつけて磨いたケースに入れ、ローターを取り付けます。
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完成です。風防には削っても取れそうもない深いクラックがあったので、未使用品に交換しました。

指定の部品番号ではありませんでしたが、取り付けはできました。
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マジックレバーの機種は、切換車がないので大変気が楽です。