水入り時計を分解する
先日落札したジャンクセットに、こんな時計が入っていました。
届いてすぐの写真は撮り忘れたので、出品者の写真から切り取っています。
これだけ水が入っているので、中はけっこうやられているだろうなと思いましたが、
機械が6106Bなので使い道があるだろうということで、届いたらすぐに分解開始。
風防の水滴は、出品説明よりは減っていました。
機械を取り出します。針の表面はだいぶ腐食していましたが、文字盤は意外に
きれい。
ローターにちょっと点々の変色があります。
水入りとは関係ありませんが、曜車を留めるC-リングが表裏反対でした。
曜車、日車の裏側には水滴の跡がありますが、使用には問題ないでしょう。
自動巻きの下、輪列も意外にきれいでした。
一番ひどかったのは筒カナと筒車。でも、発生したばかりだからか、
簡単にさびは落とせました。
アンクル爪石のシェラックが白くふやけているのが気になりましたが、
十分時間がたっても白いままでした。再使用はちょっと怖いかも。
この時計の最大の問題点は、竜頭がないこと。インナーベゼルが
回転するタイプなので、それを駆動する歯車とバネが必要ですが、
それらも竜頭とともに紛失したはずです。
正直言って、この竜頭一式を手に入れるにはかなりの手間と暇が
必要だと思われますので、一瞬復活させようかとも思いましたが
すぐにあきらめました。ドナーとして活躍してもらうことにします。