CITIZEN COSMOTRONの逆襲

何が逆襲なのかよくわかりませんが、ということでまたコスモトロンです。

文字盤がちょっと傷んでいますが、嫌いじゃないデザインです。
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裏はこうなってます。蓋を大径ナットで締め付ける、比較的少数派のケースです。
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ケースの形としては、これよりも前回のワンピースケースの方がいいので、機械をあちらに

移植することにします。機械は、ちょっと変色がありますが、さびはなさそう。
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機械を取り出して分解していきます。分解は前回も写真を載せていますが、一応今回も載せます。
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これが四番車です。クロノ秒針のような形をしています。動きもそっくりです。
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帰零ボタン(左下のボタン)は、Oリングのついたボタンを内側でEリングにより抜け止めをしているだけです。

戻しは、機械側の戻しバネで行います。
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分解しました。
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これは二番車です。筒カナ一体構造です。
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さて、洗浄が終わりましたので組立を始めます。

まずはガンギ車相当のインデックス車。それと、インデックス車受けを被せる前に取り付ける

必要がある部品を乗せます。これらは帰零ボタンを押した時に、リセットされた輪列と

テンワが干渉しないように規制する部品のようです。黄色丸の突起がテンワをひっかけて

止めるらしい。
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その後、部品を取り付けていきますが、日の裏伝え車という部品の異常が判明。

ここでさっそく部品取りとした前回の機械が役に立ちました。左がホゾの折れたもの、

右がドナーから取ったもの。
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日の裏伝え車、日の裏車、二番車をつけたら中受けをかぶせます。
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おっと、矢印の帰零レバー戻しバネの取り付けを忘れていました。
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中受けの上にまた部品を乗せていきます。写真中に書いてあるように、五番車の

裏表が反対です。だいぶ後になって動きが変なのでわかりましたが、正しい取り付けの

写真は撮り忘れたのでご注意ください。
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その後、テンプ、基板を取り付けて電池を入れたら動きました。
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次に日の裏側です。帰零ボタンを押して秒針と長短針をリセットした状態で、

日回し車を地板のマークと合わせて取り付けます。こんなのは技術解説書がないと

わかりませんよね。
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続けて日の裏の部品を取り付けていきますが・・・
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気になることが。


今組み立てているのはツーピースケースに入っていた機械ですが、最終的に入れるのは

ワンピースケース。ワンピースケースに入れる機械は輪列側を操作して

巻真を抜くことができないので、ジョイント巻真とか専用オシドリとか、必ずどこか

違いがあるはずです。そこをはっきりさせないと大変なことになります。

ということで前回の写真をじっくり見直すと、裏押さえの横に何かあることが

わかりました。ああ、確かにここに何かついていたな。形状もおぼろげに覚えていたので

部品はすぐに見つかりました。これです。
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取り付けた裏押さえを外さないとつけられないようなので、一度はずして

取り付けました。
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危ないところでした。


その後、日車、曜車、文字盤を取り付け、磨いたケースに挿入。
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竜頭を回し、日付が変わったところで帰零ボタンを押しながら短針を取り付け。

そして長針を15秒ぶん進めた位置で取り付け。これは、帰零後に長針が動き出すまで

約15秒かかるためとのこと。

そして、秒針もクロノグラフみたいに帰零ボタンを押しながら12時に合わせて取り付け。

針回し、帰零等のチェックをします。まあ、こだわれば調整の余地がまだ

ありそうですが、とりあえずOKでしょう。
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そして風防を圧入して、完成です。
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風防は、今回新たな方法で研磨してみました。今までに比べれば効率は上がったと

思いますが、深い傷はどうしようもないですね。

ただ、手間はかかりますがカットガラスも磨けなくはないように思います。

(エッジの欠けもどうしようもないですが)


それと、この機械はテンプは10振動ですが、テンワ1往復でインデックス車の

歯がひとつ送られるという動作ですので、秒針の動きは5振動と同等です。

また、その動作原理からタイムグラファーの曲線が1本にならない、いわゆる

片振りの状態が正常とのことですが、どれくらいが正常範囲なのかがわからないのが

ちょっと不安です。