CITIZEN COSMOTRONを壊す

今日は、またシチズンのコスモトロンです。最近ちょっとコスモトロンづいてます。

今回俎上に上がるのは、これ。
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これまでの二つになかったボタンが向かって左下に見えますが、これを押す事で

秒針をゼロセットすることができるそうです。

現状は秒針が12時を指したままですので、ボタンを押しても変化がありません。

また、竜頭ががちがちに固着しています。おそらく錆びついているものと思います。

裏側はこんな感じです。いわゆるワンピースですが、電池交換のたびに機械を

取り出す手間を掛けないよう、電池蓋があります。右のちいさなネジを外すと、

この奥に緩急針を動かすネジがあるそうです。
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さっそく分解に入ります。ワンピースケースですので、巻真を抜かないことには

どうにもなりませんが、前述のとおりがちがちに固着していてびくともしません。

ここまで固着(さび)していたら部品としても無事ではないだろうということで、

竜頭をこじって巻真を破壊。ようやく機械を取り出すことができました。
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巻真部分は接着剤を充てんしたかのようになっていました。これでは動くはずもありませぬ。

とりあえず、ここはこのままにして分解していきます。まずは日の裏から。
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次に表側。時刻合わせ用ボタンからのリンクが結構複雑です。
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私は単純に秒針のみゼロセットするものと思っていましたが、技術解説書によると

正時から±3分以内であれば、分針もゼロセットできるそうです。複雑なのもうなずけます。

さびて外れない巻真を残して、ばらばらになりました。これからさびを除去して、

巻真と地板を分離することにします。

使うのは、今回あらたに導入した時計部品専用さび取り剤。
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存在は前から知っていたものの、入れ物が昔の自転車用さび取り剤のようで

敬遠していたのですが、どうも効果があるらしいことがわかったので導入。

これを容器に取って倍に薄め、そこに地板を入れます。

すると、ほどなくして薄黄色の液が写真のように褐色に。すごい変化です。
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しばらく漬けておいて取り出したら、液色の変化の割にはさびが取れていなかったので、

今度は原液に入れて、さらに超音波洗浄。時々液から出して様子を見ますが、

かなり頑固です。ちょっと無理をしてあちこちいじっていたら、オシドリが取れてしまいました。

この機械は、オシドリが樹脂部品とともに地板にカシメられているので、

通常は外れないのですが、それが取れてしまったということは壊れたということか?

とりあえず洗浄を続けたところ、20分後、ついに巻真の分離に成功。

部品を洗浄して、取れたオシドリを含めて顕微鏡下で確認しました。
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その結果、やはり折れてしまっているようで、再使用できないことが判明。

ならばカシメてある部分を外して別の機械から持ってこれないか検討しましたが、

どうもうまくいくイメージが湧かないため断念。

地板ごと前回のコスモトロンから持ってくることも考えましたが、

こちらは金色なのにあちらは銀色なので、あまり気分がよろしくない。

ということでこれも断念。ばらした機械は補修用部品とし、同じNo.の

機械を新たに入手することにしました。

コスモトロンなんか一個か二個やればいいと思っていたのに、

何だかジャンクスパイラルに陥りそうな予感。