SEIKO CHRONOGRAPH AUTOMATIC 17J 7016-7000(続き)

それでは前回の続きを始めたいと思います。

洗浄が終わり、組立開始です。まずは地板にダイヤショックを取り付け、二番車以降、

写真に写っている部品を取り付けます。
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次に三番車、秒クロノグラフ車と受け(名称不明)を取り付けます。
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そしてクロノグラフ受けを取り付けます。この段階でも輪列のホゾはフリーです。
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その上に発停レバーと作動カムを取り付けます。前回、ピラーホイールと書きましたが、

「作動カム」が正式名称のようです。この方がしっくり来ます。
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さらにクロノ部品を取り付けていきます。
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写真右の黄色丸の中を見てください。隙間がありますが、ちょっと記憶の片隅に留めておいてください。

次に一番受けの取り付けですが、裏から取り付ける部品があるので忘れずに。
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この受け、香箱真を含めて5本のホゾを受けていて、それぞれが長いせいか、取り付けに

大変苦労しました。これでやっとザラ回しができます。
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残りの部品を取り付け、表側はほぼ完成。
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あまり書きたくないんですけど、ここまで来るのにいくつかの部品が行方不明に

なっているんです。ジャンクから取ってきて事なきを得た部品もありますが、どうしても

見つからない部品があって、えらく時間を浪費しました。なにしろ、洗浄から組立開始まで

1週間以上時間があいてしまったので、いつ何があったか何も覚えていません(^_^;

見つからないのはアンクル受けか日車押えのねじ。他のねじよりピッチが小さいのです。

一方、一番受けなどに使えるねじが1本余りました。どういうこと?

本来は総ばらしすべきところですが、一番受けの取り付けをもう一度やるのは

うんざりだったので、今回はこのまま作業を続けることにしました。

よいこのみなさんは反面教師としてください。


続いて日の裏です。とりあえず分解時の写真通りに部品を取り付けます。
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さらに続けます。この後は日車の取り付けになります。
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日車、日車押え、曜車、Eリングを取り付けます。
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木曜日のところ、ネジ穴が明いていますが、ここにつくネジが行方不明です。

それから、30日のところにある筒が12時間積算計の針のハカマに相当する部品で、

12時間積算車の筒に圧入されているんですが、よく見ると二面が切ってあります。

ということは、針を挿す前に0位置を出しておく必要がある。

でもそのやり方がかわからず、とりあえずつけちゃいましたが、針挿し後、やっぱり

駄目なことが判明。また文字盤を外してやり直しです。ちゃんと0位置を合わせるには、

やはり文字盤を取り付けた後に針を挿さなければならない。そうするためには

こういう形にしておけばいい。
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分解時、こういう形にならないので気づくのにちょっと時間がかかりましたが、これでなんとか解決。

風防を外したままのケースに入れて、クロノ針の取り付けをしたところです。
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専用機械台がなくてもなんとかなります。

いったん機械を取り出して、ケースに風防その他を取り付け、機械を再び入れて
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ローターを取り付けます。これで裏蓋を取り付けて完成。


その前に、プッシャー歯車の謎を。

実は、針を挿す時にプッシャーを押したところ、ストロークが全然足りず、針を帰零させられない

ことがわかりました。

次の写真がプッシャーを分解した時に出てきた部品。
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いかにも手作り風のCリングとバネが一つ、正体不明の歯車。どう考えても正常じゃありません。

で、過去の7015の写真を見たら、あちらはこういう構成でした。
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こうなると、プッシャーさえ正規の部品なのか怪しい。でも、これしかないので元に戻します。

取り付け後に確認してみると、プッシャーが一番外に出た状態で、プッシャー内側の先端が

ケース内周よりだいぶ奥にあります。
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これが原因なのかはわかりませんが、ストロークが足りない分を補うために

どこかから持ってきた歯車を貼り付けたということのようです。

仕方がないので、同じように貼り付けます。
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原因として考えられるのは、上の方で記憶の片隅においといてもらった黄色丸の

部分です。あの隙間は、7015の写真をみるとやはり断裂です。検証してみないと

わかりませんが、この破損のせいでうまく帰零しないということはあり得るのではないか。

そんな気はしますが、今はとても詳細を検証する気持ちになれません。


それから角が丸いケースですが、エッジを出してやろうと勇んで作業に入ったものの、

大変根気のいる作業であることがわかり、途中で断念してしまいました。

せっかくですので写真を載せることにしましたが、あまり変わらないかな・・・

上が作業前、下が作業後です。まずはラグの部分。
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裏蓋。
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ケースサイド。
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とりあえず、動いてはいるのでこのまま使います。気持ちの余裕が出てきたら、

ネジの探索含めてやり直したいと思います。
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