SEIKO Sportsmatic 5 Deluxe 25J 7619-9060

今回の時計は、セイコーのスポーツマチック5デラックスです。

搭載キャリバーは7619A。秒針規正付きで、日付早送りボタンが

ついているのが特徴です。
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この時計を入手したのは、以前に分解したスポーツマチック5デラックスの

日車に難があったため、その交換用部品を取ろうと考えたためだと思います。

過去の記事はこちら☞


しかし、あまり問題のない時計をただの部品取りに貶めてしまうのは

忍びない、ということで再生させることにしました。
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機械はローターに若干腐食が見られますが、それほど悪くはないようです。
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文字盤もまあまあですね。この機械は機械と文字盤のクリアランスを保つのに

わっかではなく3本のピンを立てています。ですから、無理な力をかけて

ピンの部分が変形している個体がみられますが、これは大丈夫みたい。
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文字盤を外すと、日車、曜車があるわけですが、今回は見慣れぬものが。
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曜車の上にワッシャーが乗っています。曜車を外すと、筒車の上に座金。
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今までの7619Aは、この座金が曜車の上に乗っていました。なぜこんなことに?


分解を進めると、二つ目のトラブルが。裏押さえのバネが折れています。
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裏押さえが折れているのは久しぶりです。どうすっかな。


とりあえず日の裏側の分解が終わりました。例によって、ダイヤフィックスは

外さずに洗浄します。
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そして、表側を分解。
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その過程で、こんなものが出てきました。
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最初は何だかわかりませんでしたが、部品の厚みからしてEリングではないかと

気づき、ケースを確認しますと、やはり日付送り用ボタンのEリングが

ありませんでした。
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さて、どうすっかな。


分解がすべて終わった後、ガラ箱を漁ります。そしたら、いいものが

見つかりました。だいぶ前に落札したジャンクセットの中の一つで、

相当ヤレているので全然手を付けないままだったやつ。これなら

部品取りにしても惜しくありません。
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裏蓋を開けたら、自動巻きがありません。こりゃ完全にドナーです。
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この個体も曜車の上に銅色の座金があります。組立時はこの

パターンにすることにします。
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さて、問題のあった部品の組み換え品が揃いました。組立を始めましょう。
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巻真まわりの部品をつけて、表側に移ります。
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輪列、秒針規正レバーを取り付けます。
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受けを取り付け、ザラ回し後、角穴車、アンクル、テンプを取り付けます。

受けのダイヤフィックスは、片方だけ異物が残っていたため分解して洗浄しました。
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ここで、本来ならテンワが振動するはずなのですが、今回はなぜか非常に

動きが悪い。思い当たる節がないなーと原因を探していたら、なんと、

地板にダイヤショックを取り付け忘れていたことがわかりました。

ダイヤフィックスの方に気を取られていたようです(^_^;

その後、日の裏側の残りの部品を取り付けて
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(写真では座金が筒車の上にありますが、撮影後に移動させてます)

文字盤と針を取り付けて、
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ケースに入れて完成。
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裏蓋をよく見たら、クラックが入ってました。防水性は皆無ですね。
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汗や手洗いには気を付けないと。
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ラグの上面がヘアラインになっていたような跡があったので、

再現してみましたが、つるつるポリッシュでもよかったかな。
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