TECHNOS Sky Light 25J ETA2632

今日はテクノスのスカイライトをメンテします。

スカイライトは今回で4個目になりますが、搭載キャリバーはすべて違います。

違うと言っても、どこが違うのかよくわからないものもあったりするので、

分解組立自体はほとんど同じ印象です。
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ケースの状態は普通ですが、風防の傷がちょっと多めかも。

裏蓋のメダリオンはありません。あると高値になります。
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機械はETA2632。6振動/秒、チラネジテンプ、ハックなし、微動緩急針付です。
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インデックスに若干の腐食がありますが、針・文字盤は全体的にきれいです。
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文字盤を外し、日の裏から分解していきます。
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次に、表側を分解します。
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いわゆるETA輪列。
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香箱は比較的きれいですが、スリップの感触が悪いので分解することにします。
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裏蓋の裏。最後のOHは11年前のようです。
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気になるのは、「2824」という数字。今までのスカイライトは、搭載キャリバーの

番号が刻印されていましたが、今回は違います。裏蓋が交換されている可能性があります。


さて、風防です。前回のエルニクスより傷は多めに見えます。深い傷も多いですね。
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この風防は、ご覧の通り平面ではなく緩やかなドーム形状ですので、前回と同じ

やり方でうまく研磨できるかわかりませんが、実験ということでやってみます。


フィルムケースに貼り付け、研磨開始。曲面なので荷重が集中するためか、

意外に短時間で傷が浅くなっていきます。ガラスが柔らかいのかもしれません。

これはいけるかも、と思っていたら、、、、

やってしまいました。押し付け荷重が強すぎたようで、風防が真っ二つ。
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研磨しながらの冷却をさぼったため、貼り付けに使ったホットボンドが柔らかくなってしまい、

荷重を受けるバックアップの役目をしなくなったことも原因のひとつと思われます。


さて、どうしよう・・・ 

当面、汎用プラ風防でごまかそうかと思い、在庫品の寸法を調べていたら、

運よく同じサイズのガラス風防がありました。純正品は内側も曲面になっているため、

平ガラスでは針にぶつかる可能性がありますが、ドーム風防もあったので、そちらを

使うことに。
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ただ、厚みがかなり違うため仕上がりに違和感があるかもしれません。
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左が汎用、右がオリジナルです。


洗浄後、地板のインカブロックと巻真周りを取り付けるところから組み立て開始。
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この後表側に行って輪列を取り付けます。
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受けをかぶせてザラ回しをします。
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問題ないのでアンクル、テンプ、丸穴車、角穴車を取り付けます
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ここで日の裏に戻り、部品を取り付けます。だいぶはしょってしまいました。
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カレンダーの動きを確認後、文字盤と針を取り付けます。
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ケースを磨いて、風防を取り付けてみました。最近の時計と同様、テフロンガスケットで風防を

固定するタイプですので、ガラス、ベゼルを圧入機で順番に押し込みます。

当然ながら、ベゼルの高さより低いところから風防が立ち上がっていますが、

見ただけだと心配したほどの違和感はありません。
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このケースに機械を入れ、自動巻き、ローターを取り付けます。
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完成。
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オリジナルとは雰囲気が違いますが、無傷の風防というのはやはりいいですね。


今回は、ガラスドーム風防をグラインダーで磨けるかがメインのトピックになると

考えていましたが、凡ミスのせいで実現しませんでした。近いうちにリベンジしたいと

思います。