パワリザが短い時計(5) Breitling PREMIER

ちょっと前にオーバーホールしたブライトリングのプレミエですが、初回の使用ではパワリザが

39時間程度あってまあまあだと思っていたのに、すぐ20時間台に低下してしまいました。

そこで、切り替え車を洗浄したり、ローターのベアリングの注油をやり直したりしたんですが、

全然改善しません。手巻きでは48時間持ちますので、自動巻きに問題があることは確実。

残された手段は切り替え車の交換。幸い、ベースムーブのETA2892/A2は現行品なので

新品が比較的安価で手に入ります。

最近使うようになった某時計材料店で\1620で購入。ここは送料も安いので(場合によっては

無料) 、一個でもすぐにポチれます。

右が新品です。比べてみても違いが判るはずがありません(^_^;
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これで直らなかったら打つ手がありません。すがるような気持ちで一日使用し、放置。

その結果は・・・

なんと!!





22時間(;_;)


ガックリですよ。

自動巻きに問題があるのは間違いないと思うので、切り替え車以外の自動巻きの

部品を疑ってみました。

289Xの"technical communication"を見直しましたが、注油箇所の見落としは

ないようです。

あえて突っ込むとすれば、ローターベアリングへの注油量。very small quantity

って書いてありますが、それっていったいどれくらいなのか。

切替車への注油指示も同じなので、相当少ないんだろうと思いますが、OH時の

ベアリング注油量はそんなに少なくなかったので、一度洗い直してみることにしました。

裏蓋を開けて時計を振って、現状のローターの動きをあらためて確認してみると、

なんとなく渋いような気がする・・・手持ちの2892搭載機にハミルトンの

ジャズマスタースリムがあるので、それと比べてみたところ、微妙ですが違いがあります。

ということで自動巻きを外し、ローターだけを取り出してパーツクリーナーに漬け、

ベアリングのインナーをつかんで回しました。確かに動きが渋い。
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そこでクリーナーに漬けては回し、回しては漬けるを繰り返し、渋さを感じなくなったところで

乾燥させ、組み直し。そして時計を振ってみますと、ローターがぶるんぶるんという

感じで回りました。間違いなく洗浄前の動きとは違います。

今度こそ巻き上げ効率は回復しているでしょう。

ということでまた一日使って放置した結果、パワリザは41時間になっていました。

とりあえずよかった・・・

一安心はしたものの、41時間という数字に若干不満があるのと、1回のチェックでは不安だったので、

もう一度丸一日、ちょっと長めに使ってみました。その結果は46時間。もう大丈夫かな。


今回の件は、OH時にパーツクリーナー洗浄、超音波洗浄をやっているので問題ないと

思い込んでいたローターが、実はきれいになっていなかったというオチでした。

いい勉強になりました。

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