BALL WATCHの新作
「ボールウォッチ」という時計メーカーをご存じでしょうか。
「ボール」のブランドイメージというのは人それぞれだと思いますが、私のイメージは、
リーズナブルな価格で面白い時計を作っているって感じですかね。
マイクロガスライトを必ず使っているのと、ダイバーモデルなどに採用されている
リューズガードが外観上の特徴です。個人的には手の甲に当たって痛そう・・・
中身は基本的にETAですが、7750に月表示カレンダーを追加したり、
ひげゼンマイの変形を規制する装置をつけるなど、独自の改造も行っています。
また、外部からローターの回転をロックさせたり、最新のモデルでは
外部から特殊金属で出来た防磁シャッターを開閉できるようなギミックを
装備したりしています。
個人的には好感度が非常に高いので、ひとつくらい買ってもいいと
いつも思っているのですが、実物を目の前にした時にどうしても最後の一歩が
踏み出せず、購入に至っていません。
そんなボールウォッチの最新作のカタログが、販売店から送られてきました。
一目見て、そのボールウォッチらしからぬデザインと新しく搭載されたギミックに
興味を持ちました。たまたまその時計店に行く用事があったので、ついでに
現物を見て来ることにしました。
店に入ってまず用事を済ませると、あちらも新製品を見せたかったらしく、
すぐにこんなのが出ましたよと持ってきました。現物の写真を撮影してないので
カタログのスキャン画像ですが、今までのボールウォッチのイメージと違う
コインエッジ的ピッチのフルーテッドベゼルが目を引きます。
モデル名はエンジニアⅡ マグニートーS。
ボールウォッチの性格上、ただの飾りとは思えませんので、これを回すと
何かが起きることは容易に想像ができます。
実際には、ムーブメントと裏蓋の間に仕込まれた20枚の羽根が開いたり
閉じたりするのです。レンズの絞りと同じ構造です。私はカメラも好きなので、
けっこう心惹かれるものがありました。レンズなら絞り羽根20枚というのは
ありえない枚数ですよ(^_^;
この羽根は厚さ0.06mmのミューメタルだそうで、配合はボールオリジナル。
A-PROOF耐磁システムと名付けられています。
通常の防磁構造は軟鉄製カバーで覆うようなことがされていますが、
この時計は防磁とシースルーバックという相反する機能を両立し、
絞りが開いたり閉じたりするところも見られるという、ギミック好きには
かなり訴求するものがある製品ではないでしょうか。
絞りが閉じているかどうかを裏を見なくてもわかるように、ケースサイドに
インジケータ窓があります。まあ、必要な装備だと思います。
裏蓋はスクリューバックではなくネジ留め。防水性は下がりますが、
刻印の向きをコントロール出来るので、見栄えはよくなりますね。
そういうところも考えての選択かもしれません。
肝心の文字盤側についても、よく出来ていると思います。
ただ、個人的には緑色の秒針が今ひとつ。いつものように、購入には
至らないと思います。裏蓋側はいいんですけどね・・・。