インドのスピードマスター

わけのわからないタイトルですが、要するにインド駐在の同僚から預かったスピードマスターマーク40

のことです。部品が手に入ったので修理を始めました。

裏蓋を開けて機械を取り出し、残っていたプッシャーのシャフトを取り外しました。それをよく見ると、

折れた形跡がありません。ということは、プッシャーをどこかにぶつけて壊してしまったわけではなく、

シャフトが緩んで少しずつ回転し、ついにプッシャーが脱落したと考えられます。

試しに、リセットの方のシャフトを回してみたら、簡単に緩みました。そんなに遠くない将来に、

同じようにボタンが脱落したかもしれません。
イメージ 1



実は私、プッシャーを丸ごと交換したことがまだありません。だから、ケースからプッシャーの土台を

抜く作業は、かなり敷居が高いのです。

時計材料店からはシャフトを緩める際に折ってしまうケースが多いので、丸ごと交換をお勧めしますと

言われました。

どちらの方法にするか決めかねる中、とりあえず部品を取り出して動作を確認してみようと

思い立ちました。
イメージ 2
イメージ 3


ここがケースに圧入されるので、そこを押せばこうなるはず・・・なのにびくともしません。

あれ!? と思いながら、さらに強く押したところ、こうなりました。
イメージ 4


どう見てもおかしいですよね。この段階で時計材料店に問い合わせればよかったのですが、

シャフトを緩めてみる
ことに大義名分ができたというわけで、無謀にも分解にチャレンジ。

結果、時計材料店の言った通りになってしまいました。

ボタンのネジ穴に残ったネジが何とか取れないかいろいろ試したのですが、最終的に断念。

やむを得ず、恥を忍んで時計材料店にもう一回発注。その際、同じことが起きると困るので、

あらかじめ動作を確認していただき、OKのものを送ってくださいと頼みました。

そしたら、すべてを察していただけまして、追加費用なしで完動品を送っていただけました。

大変、感謝しています。


これで一つのヤマは越えましたが、次にはプッシャー交換初体験のヤマが。

通常はどうやって抜くのかすらわからないので、必死に考えます。でもね、結局ポンス台の

上で叩くしか思いつかないのですよね。それでなんとか外れたのでよいのですが。
イメージ 5


外した部品についている傷は、ラジオペンチで抜こうとした時のものです。無理でした(^_^;

プッシャー周りの汚れを落としてから、ロックタイトを塗布してプッシャー圧入。

無事修理が完了しました。
イメージ 6



もう一つ、パワリザが短いという不具合がありますが、とりあえずローターのみ丹念に洗浄してから

組み付けました。これで様子を見て、ダメなようなら切換車を交換することにします。


                                       (多分)つづく