ブレーキOHその後

またしても腕時計の話題でなく申し訳ありませんが、ネタがないので・・・

先日分解掃除したフロントブレーキですが、明らかな引きずりはなくなり、音もほとんどしなくなりました。

しかし、「明らかな」とか「ほとんど」などという言葉を使っていることでわかるように、実は完璧になったわけではないのです。

耳を澄ますと、何かしらの条件の下でシャラシャラ音がする時がありますし、タッチもよくないんです。

絶対的な制動力はありますが、レバーを握る力に対してリニアではない。

で、いろいろ調査検討した結果、「揉み出し」と呼ばれている作業を行うことにしました。

揉み出しというのは、ブレーキレバーを握った時にすべてのキャリパーピストン(我がX4の場合は4つ)が均等に出るようにすることみたいです。

分解洗浄して組み直す時、パッキングに潤滑剤(通常はブレーキフルード)を塗るのですが、これだけだと4つのピストンの出方にばらつきが生じることがあるらしいのです。

なので、組立時にブレーキフルードではなく最初からシリコーングリスを塗って潤滑性を高め、ばらつき防止を狙う人もいるようです。

前回の作業では、フルードを塗っておけば大丈夫なはず、と判断したのと、まったく成分の違うシリコーングリスがブレーキフルードに混ざるのが何となくいやだったので、フルードを塗るだけにして、その後の揉み出し作業もしなかったのですが、上述の不満な点があることから、揉み出し作業をすることにしました。

まず、現状把握をします。ブレーキパッドをはずした状態で、ちょっとレバーを握り、4つのピストンが均等に出てくるか確認します。

均等でない場合、パッド全面でブレーキローターを挟んでいない=制動初期のタッチが悪いことになります。

そして、レバーを離した時に4つ同じように戻るか(元の位置へということではない)を確認します。

戻らない場合、パッドとローターが接触し、音が発生する可能性があります。

この確認をやってみた結果、音が出ている左側のキャリパーで差が出ました。写真右上のピストンが他より多く出ています。
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これは、他の3つに比べて戻りが悪いため、何度もブレーキレバーを握ると、少しずつ出てくるからだと思います。

次に、ブレーキレバーを握り、ある程度までピストンを出します。この時対向するピストンの隙間がなくならないよう気をつけます。

ピストンがくっついてしまうと、分解するしかなくなってしまいますので。

次に、ピストンの根元にメタルラバーを吹き付けます。
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(ピンボケすみません)

メタルラバーというのはブレーキメンテ用ケミカル製品で、使用箇所は限定されていますが、えらく評判のよい製品です。


吹き付けたら、しばらく時間をおいてから、ピストンを押し込みます。

本当は、ここでブレーキピストンプライヤーというものを使って、ピストンをつかんで回しながら押し込むのがよいのですが、今回はまっすぐ押し込むだけにします。

ネット情報によれば、ピストンを出す⇒メタルラバー吹き付け⇒押し込む これを繰り返すとピストンがすこすこ動くようになるはずです。

最初の押し込みは、確かに重いです。ゴムと金属の間に潤滑がない感じ。それが、メタルラバーがついたと思われる部分とパッキングが接触したと思われる辺りから、軽く押し込めるような感じになりました。


全部押し込みました。
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そしたら、またレバーを何度も握り、ピストンを押し出します。
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そして、またメタルラバーをスプレーして、ピストンを押し込みます。

最初よりは軽く押し込めたような気がしますが、すこすこではありませんね。

結局3回繰り返しましたが、すこすこにはなりませんでした。各ピストンの出方もまだばらつきはあります。

しかし、ピストンを押し出す時のレバーの重さは軽くなっているので、タッチ改善にはつながるかもしれません。


同様の作業を、右のキャリパーにも行いました。

右側キャリパーのピストンの出方ですが、写真のように左側に比べるとばらつきは少なかったです。
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こちらも3回揉み出しをやり、元通りに組み直しました。



作業から一週間経過しました。ブレーキが効き始めるまでの荷重は減って、だいぶフィーリングがよくなっていると思います。

すべての場合に揉み出しが必要なのかどうかはわかりませんが、今回のOHでは必要な作業だったということですね。

ピストン組み付け時にメタルラバーを使っていれば、さらにいい結果になったかもしれません。

次のOH作業がいつになるか、まったく予想が付きませんが、その時はメタルラバーを使って作業したいと思います。