RADO PRESIDENT 21J その一

久しぶりの腕時計新規分解掃除ネタになります。

RADOとしてはエグミの少ない、私の好きなゴールデンホース系のデザインです。その手巻きモデル。RADOの手巻きは初めてですね。
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自動巻きモジュールがないだけの違いですけど(^_^;

裏蓋はスクリューバックですが、こちらもRADOらしからぬあっさりデザイン。嫌いじゃないです。
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全体のエッジはよく残っているものの、小傷が多いのでバフ掛けだけではきれいにならないでしょう。両頭グラインダーを使うと雰囲気が変わってしまうのですが、やむを得ません。
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程度はよさそうなので、まずタイムグラファーにかけてみました。ご覧の通り、数値的には全く問題ありません。ちょっと片振りがあるかな。
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裏蓋を開けます。ふたの裏に昭和61年と書いてありました。油は完全に乾いていますが、機械はとてもきれいで、ゴミ等は全然ありません。30年間眠っていたのでしょうかね。
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ケースから機械を取り出し、針、文字盤を外しました。文字盤の裏にはEGGLI-WEIBEL SAの文字が。文字盤のメーカーなんでしょうが、初めて見る名前です。SINGERなら見たことがあるんですけど。
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ちょっと調べたら、当時のことはわかりませんでしたが、EGGLI-WEIBEL AGという会社が今もビエンヌにあって、時計にも関係あることをやっているらしいです。


機械の地板にはAS 1702/03の刻印があります。1702がカレンダーなしですので、この機械は1703ということになります。
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AS 1703の諸元です
装備:手巻き 中三針 日付: 20:30-24h往復で早送り可
サイズ:落ち径11.5リーニュ 高さ 4.0mm
17/21 jewels
振動数 18000振動/時
パワリザ 49時間

見覚えのある日の裏側です。今までたくさんやってきASの機械と同じです。
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ばらします。
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表側です。もうテンプを取り外してますが・・・自動巻きモジュールがないだけですが、部品、特に受けの仕上げはちょっと違います。かなりギラギラしてます。
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一番受けのほぞ穴にはルビーが使われています。
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輪列。
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ばらします。
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ここで、部品の洗浄に移る前に、ケースの研磨をすることにしました。ケースはベゼル一体なので、風防、ミドルケース、裏蓋の3部品です。

風防の取り外しは、茶筅のような工具を使いましたが、外す時に嫌な音がしました。風防を確認すると、やはり割れています。テンションリングが入る部分の薄いところで半周くらい。
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しかし、よく見ると割れたところに汚れがたまっているので、今割れたのではなく、だいぶ前に割れたことがわかります。
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自分のせいじゃないことがわかってほっとしつつ、どうするか考えました。ヤフオクを見たら、外径は同じものがありましたが、カレンダーのレンズがないので断念。割れたやつをそのまま使うことにしました。


番組の途中ですが、写真枚数制限に抵触するため最後までお届けできないことがわかりました。不本意ながら、キリの良いところで筆をおき、日を改めて投稿したいと思います。ご了承下さいませ。