Nivada Chardin の分解清掃
G.W.第二弾は、NivadaのChardin。ニヴァダのシャルダンと読むのでしょうか。
記事を書くにあたり、ちょっと調べただけですが、Nivadaの情報って、あまりないですね。文字盤にはSWISSと書いてありますので、SWISSのメーカーなんでしょうね。
これは、一昨年夏にヤフオクで落札したものです。同じもの2個のセットで、片方は竜頭なし、もう片方は中でカシャカシャ音がするという代物でした。
どちらも不完全ではありますが、ケースや文字盤はきれいなので、ニコイチでいいものが一個できるでしょう。
こういう形状のケースは、実はあまり好きではないのですが、針・文字盤はシンプルで上品な感じがしますね。
ベゼルなしのワンピースケースで、ケースの側面以外はヘアラインなので、研磨は楽です。もともときれいな状態ですので、リューター+バフで磨くだけで十分でしょう。
生かす方のケースの裏には、まだ保護シールが残っていました。
風防を外して中身を出します。
ケースには特に固定されていませんので、逆さにするとごろんと出てきます。機械はETA2824でした。針と文字盤を外して、日の裏側から分解していきます。
すべて部品が取り外されました。
次に表側です。こちらも特筆することはないので、淡々と分解していきます。
香箱のふたがしっかり閉まっていませんでした。きっと調子が悪かったと思いますが・・・
中はそれほど汚れておらず油っ気も残っていました。滑りチェックしたところ、1/6周ごとにしっかり止まるので、このまま使うことにしました。香箱真周辺だけはきれいにして注油します。
すべて分解が終わりました。この後、ケースと風防を軽く仕上げてから部品の洗浄をしました。
さて、組立です。
まず、地板に穴石と受け石を取り付け、注油します。
地板の耐震装置への注油は、組み付けてからオイラーで注す方法と、組み付け前に受け石に油を乗せてから穴石をかぶせ、それを組み付ける方法があります。
それぞれ一長一短があり、どちらがベターか難しいところです。気分によってやり方を変えているのが実情ですが、今回は後者でやりました。
ちなみに、テンプ側への注油は後者一択です。(耐震装置がついていないものは除きます)
輪列を乗せて受けをかぶせ、ザラ回し。
アンクル、テンプを取り付けます。
テンプ関連ではヘマを二回やってます。まず、テンプ受けのネジを飛ばしました。見つからないので、ジャンクから取りましたが、作業終了後に見つかりました。
ワイヤレスキーボードのスイッチが動かないのでおかしいと思ったら、隙間にネジが・・・
もう一つのヘマは、注油がうまくいかず、何度かやり直しているうちに受け石を飛ばしてしまったこと。こちらは結局いまだに出てきてません。
別の機械台で自動巻きのモジュールを組み立てて
本体に取り付けます。
次に日の裏側をやります。
これはcannon pinion with driver、日本語だと伝え車付き筒カナって感じでしょうか。筒の根元に注油します。
えらく端折りましたが、日の裏の完成です。
この後ローターと文字盤を付けてケースに入れ、そして針を挿します。
ジョイント巻真なので、ケースに入れないと針送りが困難なのです。巻真側がメスならマイナスドライバーで回せるのですが、オスなのでどうしようもありません。
専用工具を作るまでもないし・・・
針を挿したら、風防をはめ込みます。
竜頭が干渉するので外しています。
竜頭を押し込んで完成です。好きなケース形状ではないと書きましたが、きれいになってみると、これはこれでいいかも。と思ってしまいます。
ただ、薄そうに見えて、裏がぽっこり出っ張ってます。
手首に着けていれば、薄い時計に見えるデザインですね。