RICOH RIBARON S 28JEWELS
今回は、なぜか相性が良くないリコーの時計です。文字盤には"S" RIBARON 28 JEWELSと書いてあります。
28石というのは、リコーの時計としても多い方ですよね?
リバロンという名前も、リコーのリと男爵のバロンの合成語と想像します。リコーのラインナップの中でも上位なのでしょうか。
その割には、外観にそれらしき痕跡がないので、考えすぎかもしれません。
状態は不動ですが、外観はそれほどひどくありません。
裏蓋を開けてみます。機械は見覚えのある姿をしていますね。
風防はガラスですが、あまり傷がないので金剛砂での下処理はせずに、いきなり刃物研ぎ機で磨くことにします。
結果的にはこの判断は失敗で、傷がなくなるまでに(ほんのちょっと取り切れなかったけど)いつもの倍の時間を要してしまいました。
傷が浅く見えても、前処理は必須だと痛感しました。前にも同じことを書いたような気がするけど・・・
風防越しにはわかりませんでしたが、直接文字盤を見ると周辺部がさびてました。水の侵入があったようです。
文字盤を外しました。リコーの機械はコンパクト化はあまり考えられていなかったような感じですね。地板の外周は無駄に見えるほどスペースがあります。
おかげで、機械台への固定は楽なんですが。
では、どんどん分解していきましょう。
巻真周りを見て思い出しました。7月にやった機械と同じですね。あちらは21石でしたが、では残りの7個はどこに?
次に表側の分解に入ります。
画像は途中からですが、自動巻きの部品なんか贅沢にスペースを使ってますね。個々の部品の耐久性はありそうな感じですがねぇ。
香箱は、チェックの結果滑りは1ノッチずつで、中もきれいだったので、余計な手出しは無用と判断、香箱真まわりのみきれいにすることにしました。
洗浄してから組み立てを始めます。地板に耐震装置を取り付けてから輪列を取り付けていきます。
受けをかぶせて丸穴車角穴車アンクルテンプ自動巻き部品を取り付けます。
日の裏に移って巻真まわり等の部品を取り付けていきます。途中を撮り忘れました(^_^;
行方不明の7石はここにありました。また、ローターに印刷されていた文字は、洗浄時に使ったメタルクリーナーの影響か、ほとんど剥がれてしまいました。
浸漬時間には気を付けたつもりでしたが、気付いた時には手遅れでした(;_;)
日付が変わったところを0時にして針を取り付け
ケースに入れて
できました。
ケースの正面とサイドの間の斜め部分はヘアラインでしたが、ちょっと傷があったのであえてやり直しました。
やっぱり、あまりうまくいきませんでした・・・
裏蓋の処理は、文字が消えないように傷取りも控えましたが、一部文字が消えてしまいました。
気になるパワリザは、初回は42時間でした。リコーにしてはいい数字です。