ROLEX DAYTONA と書いてある時計2の3

その3です。

時計としては動き続けていますが、一箇所だけ問題があり所有者に返還できていません。

不具合は、クロノスタート後の一時停止で放置すると12時間計が動き続けるというもの。

針を挿す前の確認では、クロノスタートしてすぐに止めて放置し、12時間計がどうなるかを見ていたのですが、問題事象はある程度時間が経過した後でないと発生しないことが判明。

針をすべて挿した後なので、できれば外したくない。このまま原因を探ります。

5秒経過後に停止、ちゃんと止まるので今度は15秒、次は30秒、45秒、60秒・・・ 

少しずつ増やして行きます。すると、どうも60秒を超えると問題事象が発生するようです。

なんで60秒なのか。60秒経過で発生する変化点といえば、60分計が進むだけです。

もしかしたら魔輪列が干渉しているのか?と思って画像を確認したのですが、60分計と12時間計は輪列がラップしていないので、干渉のしようがないことがわかりました。

根本の問題は、カムの動きを12時間計のリセットハンマーに伝えるシャフトと地板の穴にガタがあるためと確信しているので、1分以内では問題ないがそれを超えると問題が発生するというメカニズムがまったくわかりません。

わかりませんが、どういう時に発生するのか、できるだけ情報を集めるため、紙に記録しながらチェックを進めました。

今度は、さっき不具合が出た60秒過ぎではOKとなりました。

が、90秒でNG。一度リセットし、85秒で止めたらOKでしたので、そこから再始動して120秒までやりましたが、OKでした。

そこで、またリセットして90秒で止めて放置したら、今度はOKとなりました。

次に、リセットして10分後に停止して放置しましたが、これもOK。

その後、今までNGになったものも含めて何パターンか試したのですが、NGが出なくなってしまいました。

当たりがついて、もうこの先NGが出ないならいいんですが、その保証はないでしょう。

根本原因が上述のところにあるわけですので、そこを何とかするのが筋ですが、

もし地板に問題があるなら事実上修理不可ですよね。

リセットハンマーの戻りバネを強く(少し変形させる)すれば、もしかすると効果があるかもしれませんが、長期的に見て別のどこかに不具合がでないとも限らないし、組み付けがやりにくくなる可能性もあるし。

もうしばらくチェックを繰り返してみて、NGが出ないようなら、いったんお返ししようかと思います。