小鉄車。The setting wheel

ETA2824-2未使用品です。
イメージ 1


なぜこんなものがあるかはおいといて、

これを持ち出したのは、先日のドラのび太さんの記事を読んだため。

ETAの技術解説書によると、小鉄車の向きの指示が面取り側が上となっているそうです(全種類じゃない)。

あわてて手持ちの資料を見ましたが、確かにそうなっています。

雑誌やwebで見た断面図などは、100%面取り側が鼓車側になっているし、今まで分解してきた経験からも

面取りは鼓車側、と思い込んでいましたので、けっこうな衝撃を受けました。

真相を確認すべく、手持ちのジャンクや画像を確認して推測できたのは、小鉄車の軸が竜頭の引き出しに連動して揺動するタイプが上向きなのではないか、ということです。

小鉄車に面取りがされている理由は、鼓車との噛み合わせを容易にするためと今まで考えていました。

それに従うと、揺動タイプの場合小鉄車がほとんどガタのない日の裏車と噛みあう際に入りにくい可能性があるから、面取りを上に持ってきたと言えるんじゃないか。

でも、本当にそうなら上下に面取りがあってもおかしくないですよね。

今思うと、面取りの理由を明確に説明している文章を見たことがありません。

思い込みで結合しやすくするものと考えてきましたが、改めて考えるとそうじゃないような気もしてくる・・・


で、冒頭のETA2824-2ですが、技術解説書の指示は間違ってないとは思うものの、

工場出荷状態であるはずの未使用品を見ればすっきりできるはず、

ということで、こいつの小鉄車の向きを確認してみることにしたわけです。

日車押さえのひとつを外すと小鉄車が見えます。ですが、面取りはよくわかりません(^_^;
イメージ 2


顕微鏡で見ると、確かに面取りはあって、それは上です。技術解説書の通りです。それははっきりしました。

画像を拡大すると、何とか面取りの境は確認できますが、面取りがある前提で見てわかるというレベルでしょう。
イメージ 3


ただ、肉眼ではわからない、キズミでもよくわからない程度の面取りの意味は?謎は深まります。


もうひとつ、今まで分解組立した機械で裏表逆につけていないか?という不安に関してですが、

裏表の形状に明確な違いがあって、上側は穴の入り口が窪んでいるのです。

ですから、組み立て時には、あるのかどうかもよくわからない面取りではなくてこの窪みを目印にして組んだはずです。

たぶん、組み間違いはしていないでしょう。逆に組んでいても、おそらく何も起こらないのではないでしょうか?


参考に、すぐ確認できるジャンクの小鉄車を見てみました。

これは2638(固定タイプ)ですが、2824-2よりは大きな面取りがあります。窪みはほとんど変わりません。
イメージ 4


そしてこれは2793(固定タイプ)ですが、これは面取りがなく、裏表にも有意と思われる差はありませんでした。
イメージ 5



小鉄車の面取りの本当の意味、ご存じの方がおられましたらご教示くださいませんでしょうか?