明けましておめでとうございます。長文注意(前編)

今年も緩やかにやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

さて、新年最初の記事は、残念ながら時計ではありません。

手を付けている時計はあるんですが、予想外のトラブルで止まっています。

いずれ記事にしたいとは思いますが、今回は別のネタで。


ということで、今日のネタはバイクです。

三年前までは年に二度乗るかどうかだったバイクですが、転勤してから

通勤に使うようになり、あちこちいじるようになっています。

今回は、前々から懸案になっていたフロントフォークのOHです。

フロントフォークの外側の筒と内側の筒の間には、ダストシールという

ゴムの部品が付いていますが、これがひび割れてしまい、

たぶん水が入り放題になっているはずです。

今年8月が車検なので、その前にやっておきたい。

一昨年の車検では何も言われていないので、これで落ちることはないと

思いますが、ずっと気になっている部分なのでこの連休にやってしまうことにしました。


X4はセンタースタンドがないので、リアのスイングアームにスタンドをかけて

真っ直ぐに立てます。

エンジンの下に木片を当て、そこを油圧ジャッキで持ち上げ、フロントを浮かせます。

フロントアクスルを緩めて抜いて、フロントホイールを外します。

ブレーキキャリパーをフロントフォークから外し、

油圧ホースに変な力がかからないよう、ひもで吊り下げます。

後は、ブリッジのボルトを片側3本ずつ緩めるとフロントフォークが外れます。
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これがダストシールのひび割れ。
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今回は、前後のブレーキパッドも交換します。こんなに減ってます。
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新品に交換する前に、ピストンを押し込んでおきます。
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今回交換するパッド。安いです。どれくらいもつでしょうか。
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外したフロントフォークのトップにあるボルトを外し(ブリッジについていた時に緩めてある)、

中のオイルを排出します。緑色っぽいのはもともと入っていたオイル、赤いのは以前自分で

入れたオイルです。とある事情で、左右の素性が違うのです(^_^;
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中の部品を出します。
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どろどろです。

ダストシールを抜きます。その下に、オイルシールの抜け止めリングがあるので外します。

これがえらく錆びていた。新しいのを用意してないので、このまま使います。
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そしてこれがオイルシール。鉄の芯はゴムに包まれているのですが、
 
あまりにも長期間放置されたため、ゴムも変質して水が浸入し、さびたのでしょう。
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本来であれば、ここまで分解したらインナーチューブの出し入れで

オイルシールが抜けてくるのですが、全く出てくる感じがしません。

力任せに何度も繰り返したので、両肩が痛くなっています。

CRC5-56を吹き付けて一晩おいたのですが、それでもだめでした。


そこで、こんな道具を買ってきました。
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後ピンになっちゃってますが、ピッキングツール。

これでオイルシールをこじり出そうというわけです。

しかし、だめでした。先端が曲がるくらいやっても出ません。

最初は千枚通しの先を曲げようと思ってたんですが、

やらなくてよかった。

次にドリルで芯に穴をあけることを試みましたが、

あまりに不安定なので、すぐに断念。

次は(その次はない、最後の手段)、リューターで芯を削り、

ガタガタにして抜く方法。

ドリルよりは削れます。しかし、芯を全部削るところまでは行かない。

気を付けてるけど、時々インナーチューブに当たります。

でもこれは仕方がない。想定の範囲内です。

二か所を可能な限り削り、後は最初のようにインナーを

思いっきり引っ張り上げて、その衝撃で抜くことを試みます。

スコンとは抜けませんが、徐々に上がってきているのは

わかりました。肩が痛いけどこれを続けます。

そして、ようやく外れました。長かった。疲れた。

オイルシールはこんなボロボロになっちゃいました。
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インナーとアウターの間には、オイルロックピースと呼ばれる

アルミの部品がありますが、これがギタギタになっていました。

新品にしたいところですが、用意してないので傷を削って

再利用します。(右の小さな部品)
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インナーのボトム側です。現物の構造は、パーツリストや

フロントフォークの動作原理図ではわからない、それなりに

複雑なようです。
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分解した部品を洗います。シールとブッシュは交換するので捨てます。
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もう片方も、同様に分解するのですが、そう簡単には行きませんでした。

先にやった方は、オイルロックピースを挟んでアウターとインナーを締結している

ボルトはすんなり緩んだのですが、こっちは全然緩みません。

空回りするんです。構造上ありうる話で、ネットのOH記事を見てると

その話に触れていることが多いです。バイク屋に持って行って、

インパクトレンチで緩めてもらったという動画もあります。

しかし、私がそんなことを頼めるバイク屋はありませんので、

自分でやるしかありません。

考えたのは、電動ドライバーの高速側。多少は衝撃があるでしょう。

ただ、電動ドライバーに使えるストレートのHEXレンチがありませんので、

ホームセンターに買いに走りました。

しかし、まったく緩みません。全然衝撃が足りないようです。
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次に考えたのは、ホイールナット用のインパクトドライバーを使う案。

だいぶ前、ホイール交換したいのにナットが全然緩まず、仕方なく

買ってきたもので、一度しか出番がありませんでした。

これならかなり衝撃があります。

しかし、これを使うためには□1/2インチの先端を電動工具用ビットの

対辺6.35mmの六角に変換するか、先端の長いロングタイプの

HEXビットソケットを用意する必要があります(短いのは持っている)。


ということで、またホームセンターに走ります。

ロングタイプのソケットはなかったので、もう一方のやり方ができる

ものを探し、何とかそろいました。
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これらを、このようにつなぎます。
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そして、こんな感じでトライします。
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このインパクトドライバーは遠心クラッチ式なので、ある程度

回転が上がるとつながってガツンと行くんですが、

一回で止まってしまいます。ビットは少し回りますが、空回り。

今思うとバッテリーの力が弱かったのではないかと思いますが、

やってる時はそこまで気が回りません。ひたすら「キュルキュルガツン」を

繰り返しましたが、ゆるむ気配なし。

それでもこれしか手がないので、ひたすら繰り返します。

それでも、もうとっくに諦めて、でもほかに手を思いつかず、

フロントフォークASSYを買わないとダメかなあ、などと

絶望感の中で作業をしていた時、ようやく緩みました!

思わず声が出ましたよ。

これが外れると、後はマニュアル通りに分解できました。
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部品を洗浄したら組立ですが、外は風が強くて寒いし、

部品がすぐに砂ぼこりをかぶるので、室内で作業することにします。

これだけの部品を交換します。
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まず、インナーチューブのボトム側にスライダーブッシュを取り付けます。
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オイルロックピースは、このように入るみたいですね。
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これにアウターチューブをかぶせ、シートパイプを入れます。
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実際には、チューブを斜めにして、滑らせるようにシートパイプを入れています。

また、組み込む部品は摺動部にフォークオイルを塗っています。

この先端に、ボルトをアウターの下から締め込んで、アウターとインナーを締結します。
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画像枚数の上限に達したので、一度ここで切ります。次回に続きます。