エンジンオイル乳化対策
ここは何のブログなのか?と思われるかもしれませんが、またバイクネタです。
実は、わが愛車X4には20年近く前から気付いていた不満があります。
それは、クランクケース内でオイルが乳化するということです。
乳化というのは、ご存じの方も多いと思いますが、油と水が混ざり合って
クリームのようになってしまうことです。
最初は冷却水の漏れを疑いましたが、オイルレベルが上がるわけではないし、
水は減らないし、水漏れ修理剤を入れても変わらなかったので、その線は消えました。
結局、原因はブローバイガスの中の蒸気が結露している、ということでほぼ決まりと
思っています。
ブローバイガスというのは、エンジン内でガソリンと空気の混合気が爆発した時に
燃焼室からシリンダーヘッドやクランクケース内に漏れ出るガスで、
未燃焼混合気などの有害物質も含んでいます。
エンジンオイルの乳化自体は、わりとありふれた現象のようですが、
私のX4の場合は、クラッチケースの上部内側に乳化したオイルがたまっています。
そこにはオイルフィラーがあるので、オイル交換のたびに乳化したオイルを拝むことになります。
その真下には油面チェック窓があるため、乳化がひどいと窓の内側が白くなります。
日頃、エンジンオイルの劣化が早いと感じていたのですが、これが原因じゃないのかと
いうのもあって、何とかしたいと思っていました。
一度、試しにフィラーキャップを外して走るというのをやってみたんですが、
確かに結露は減少したようでした。ですが、ズボンのすそが油臭くなるとか、
異物の侵入が怖いなどでキャップをしたまま走るようになりました。
当然、乳化しますわな。何とかならんかなーと思っていたんです。
要するにクランクケース内に異物が入る心配がないよう大気開放できればいい。
一番簡単なのは、フィラーキャップに穴をあけてホースか何かをつないでやること。
考え始めてから部品を揃え、実行するまでに1年以上かかりましたが、ついに実施。
まず、キャップに穴を明けます。
明けた穴に、隣に写っているエルボを差し込んでボンドで隙間を埋めます。
ホース内で結露した水が逆流しないよう、出口が下を向かなければならないので、
バーナーで炙って角度を変えます。
ホースは、エンジンとスイングアームの間から下に垂らします。
で、走ってみました。通勤の片道だけでこれだけの結露がありました。
2月ということもあるのかもしれませんが、予想以上の水量でした。
これが、4,5日は続いたでしょうか。
それでも、だんだん量が少なくなってきて、クランクケース内の結露はなくなりました。
効果を確認してから、エンジンオイルを交換して、劣化具合を気にしてみましたが、
いつもより劣化が遅い感じ。これで万事解決か、と思いきや・・・
確かに結露はなくなった、エンジンオイルの劣化も遅くなった。だけど、
何かおかしいんです。非常に感覚的な話なんですが、エンジン回転がかさつくというか、
乾きすぎというか、好ましくないフィーリングがいつも付きまとうんです。
発進時の低回転でのトルクが細った感じもあって、何とかせねば収まらん状態です。
以前、キャップを外したまま走行した時も、同様のフィーリングがありました。
そこで、キャップを外した時と付けた時に、何が違うのかを考えてみました。
パーツリストを眺めていると、ヘッドカバーの後ろ側から太いホースが出ていて、
その先がエアクリーナーの内側につながっているのがわかりました。
本来、ブローバイガスはこのホースを通って吸気に混ざるようになっているようです。
それが大気開放されちゃったんで、バランスが狂った・・・そうとしか考えられません。
ではどうするか。
キャップにつないで大気開放しているホースを、ヘッドカバーからエアクリーナーに
つながっているホースに合流させればいいはずです。
どうやって?
ホースを途中で切って、ティーズを挿入し、そこにキャップからのホースをつなげばいい。
これも、ホースの太さが違うとか、ティーズはどんなのを使うのかとか、いくつか課題があり、
思いついてから実施するまでに結構時間がかかりました。
では実作業です。
クランクケースからのブローバイガスを合流させるホースが黄色で示したものです。
こいつのエアクリーナー側を外します。
先端が割れてますねー。いずれ交換しましょう。
これをちょうどいいところで切ります。
フィラーキャップからのホースは、このようにスイングアームとエンジンの隙間を通って
下に抜けています。
この勾配がある程度残るような位置で切るんです。
そしてティーズを挿入し、そこにこのピンクのホースをつなぎます。
ちょっと見難いですが、奥の方に見える白いのがティーズです。
キャップに挿してあるエルボと同じシリーズです。
水以外に使うなと書いてありますが、大丈夫でしょう。
ということで、トラブルなく思った通りの作業ができたので、さっそく試乗。
気のせいかもしれないけど、悪くない気がする。
ついでに、ひび割れが発生してきたフロントタイヤを交換してもらい、
翌日久しぶりの遠乗りへ(と言っても往復300km未満でしたが)。
天気も気候も良く、山の景色もよく、バイクも調子よく、
大変楽しいソロツーリングでした。また行きたいな。
大気開放していたのをまたエアクリーナーに戻すことにしたので、
もしかしたらまた結露・乳化が発生する可能性は否定できませんが、
これは寒くなってからでないとわからないでしょう。
秋になってからのお楽しみとし、その時を待つことにします。