ORIENT CHRONOACE Nonscratch 27Jの分解

久しぶりの時計ネタです。

分解を始める時に撮った写真のタイムスタンプが12/2でしたので、

5カ月かかったということになります。


超硬ケースというと、ラドーが有名ですが、デザインがアレなので、

ちょっと手を出すのに躊躇がありました。

日本メーカーも出していたようですが、オリエントが出していたというのは、

ドラのび太さんのブログで知りました。


その後、ヤフオクを注意してみていたら、程度がそこそこよさそうなものがあったので

落札したのでした。


外観は汚れていて、風防にも傷がありますが、ケースは大丈夫のようです。当たり前か。
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裏蓋もまあまあですね。
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機械も問題なさそうです。
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ケースから機械を取り出し、分解していきます。
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細かい部品は水洗いの時に流れて行ってしまう可能性があるので、今回から

洗い篭を導入しました。
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日の裏が終わったら表側を分解していきます。
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香箱は、確か油切れの感触があったので、ゼンマイを取り出して

洗浄グリスアップをしたと記憶しています。
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ここでケースの手入れに移ります。

まずは風防磨きから。
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風防はケースに接着されているようですが、剥がせなかったので

そのまま作業することにしました。

二種類の金剛砂で傷取りをします。
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その後、いつもの包丁研ぎ機で磨きます。


それから、日付早送り用のボタンを外そうとしたのですが、

これがガチガチに錆びて固着していて、どうにもなりません。

いろいろなことをやっているうちに、何とか外れたのですが、抜け止めの

Eリングが紛失。中に入っていたバネはさびでボロボロになってました。

しかも、チューブまでもが錆びて、欠損ができてしまいました。
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バネとEリングをどうしましょう? 

クロノエースのジャンクから部品が取れないかと思ったのですが、

通常のモデルでは、ケース内側に沿って取り付けられた板バネが、

戻りバネと抜け止めを担当しているため、使える部品はないことがわかりました。

この対策が思いつかなかったのと、スキーシーズンになってしまった

ことから、5カ月という期間、放置されてしまったのです。


チューブが欠けちゃってるので、防水性能はない。

とりあえず使えればいいんじゃね?

ということで、部品箱を漁って、使えそうな部品を選びました。
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Ω形のバネを丸めてコイルスプリングにします。

プッシャーの抜け止めは、70系?だったかの伝え車抜け止めリングを流用します。

バネは不格好ですが、機能は果たします。

Eリングは、外径が大きすぎて使えないことがわかりましたので別の案を考えます。
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荷札の針金をEリング溝に巻き付けて抜け止めにしました。
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ねじった部分は、のちにこのままだとローターと干渉することがわかり、

かなり短く切らざるを得ませんでした。


最大の難関を乗り越え、何とかケースは終了したので

機械の組み立てに入ります。


機械は、テンプのあがきに問題ありですが、深く突っ込まないことにして

組み立てていきます。
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次に日の裏側。
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文字盤、針をつけて
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ケースに入れて
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完成。
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日送りのプッシャーには参りましたが、なんとか使えるようになったので

よしとしましょう。


と思ったら・・・

最初についていたブレスがどこかに行ってしまいました。5カ月も放置したので、

どこに置いたかすっかり忘れました。捨てちゃあいないと思うんですが。

いつも使っているのをつけようとしたら、バネ棒とケースの隙間が小さすぎて、

入らないんです。湾曲バネ棒仕様のストラップもないし、どうしたものか。

紛失したブレスが出てくるまで、気長に待ちますか・・・


では、いよいよ止まってしまったNEDUのメンテに入ることにしましょうか。