Certina Automatic 21Jの分解

さて、今回はCertinaの自動巻き時計の分解清掃をやります。21石の自動巻きですが、

ペットネームが書いてないので、何と呼ばれていたのか不明です。
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Certinaの時計は初めてなんですよね。
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裏蓋を開けます。
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ローターの外周部がピカピカ(汚れているけど)なのを見ると、ブローバの機械を思い出します。

ローターに「28-45」という刻印がありますが、これがCal.No.なんでしょうかね。

ということで調べたら、そういうことだったようです。

このローターの取り外し方は、中心部近くの長穴の中に見えるピンをスライドさせてロックを解除します。

ASの機械とよく似た抜け止め方法です。

裏蓋のガスケットはアルミか鉛のような金属製でした。過去に1度か2度しか見たことがありません。
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機留めは、傘の大きいネジをケースと機械の間で突っ張り棒のようにして留めるタイプ。

ただし、片方が折れてなくなっています。
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ゼンマイが巻き上げ切った状態で止まっているようなので、自動巻きのモジュールを外してから解放します。
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解放したら、機械を取り出して機械台に乗せます。
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この機械のオシドリピンは、ネジを緩めるだけでは巻真が抜けず、押さないとだめでした。

日の裏側は特に変わった構造はなく、一般的なものでした。

ただ、部品のつくりは古いロンジンのようにしっかりしている印象でした。


次に表側です。
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丸穴車の横にある部品が気になるんですが・・・・
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角穴車のコハゼは、オーソドックスなネジとバネとアトム。
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輪列です。よくある配置の輪列です。
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そして自動巻きです。スイングロッカー式というんでしたっけ、ローターの回転が長短2本のアームで片方向に

整流されて伝え車が片方向のみに回るようになっています。
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これはその伝え車が逆回転しないようにするためのコハゼです。
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香箱チェックをしたら、滑り具合はいいのですが、四周分くらいしか巻けないようです。
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そこで分解することにしましたが、ゼンマイを出していったら、最後にスリッピングアタッチメントだけ香箱内に

残ってしまう事態に。やっちまったか・・・
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しかし、ゼンマイ外端をよく見たら、180゜折り返してあって、そこにスリッピングアタッチメントを引っ掛けるように

してあった模様。なるほど、実際にこういう修理の仕方もあるのかと感心しました。
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似たようなことは考えたことがあったのですが、ゼンマイの端を180゜曲げるというのができなくて

断念した経緯があります。

捨てるゼンマイでいろいろ試してみようかな。


ケースは意外に傷が浅いので、つやを出すだけにしました。

風防は、画像のような汎用風防が入っていましたが、一応WATER RESITSTANTを謳っているので、

本来テンションリング入りの風防でないといけないはずです。
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でもまあ、違和感はないし、防水性能は求めないのでこれでよしとします。

                                         つづく