LONGINES Cal. 30LS
モデル名がわかりません。自動巻とのことでしたが、実は手巻きでした。文字盤がシンプルすぎて、
Aoutomatic表記がないことにも気づきませんでした。
裏蓋を開けました。所々さびてますが、あまりひどい状態ではないですね。
状態はお不動様ですが、テンワは軽く動きます。
文字盤と針はきれいです。厳しく見れば、文字盤は劣化が始まっていますが、自分が生きている間くらいは
ひどいことにはならないでしょう。
針と文字盤を外して日の裏側から分解します。三針手巻きノンデイトで直径が30mmあるので、
かなり間延びしているというか、殺風景な感じがします。
部品もしっかりしています。カンヌキなどは立ちますよ。
そして輪列側です。テンプ受け、アンクル、輪列受けを外していきましたが、受けのノック公差が
きちきちなのか、さびているのかわかりませんが、かなりきつくてはずすのが大変でした。
輪列はこうなってます。三番車が秒カナを駆動し、秒カナ-秒針のふらつきを抑えるための板バネが
一番受けに付いています。各歯車も大きくしっかりした作りになっています。
香箱には、Cal.290の時と同様「自己潤滑主ゼンマイ」と書いてあり、蓋には窓が明いています。
その内の一つはゼンマイの外端を固定するための窓(穴)のようです。このタイプは初めてですね。
危険を顧みず、香箱を分解して洗浄します。
今回は分解しながらさび落としをしていきました。さびや汚れは気にならない程度に落とすことが
できましたが、機留めとそのネジがひどくて黒い痕が残りました。その次は一番受けのネジ1本と
コハゼです。機留めよりはマシですが、やはり黒い痕は残りました。
洗浄後、日の裏側の耐震装置を取り付けるところから組立を始め、ひっくり返して香箱を地板に乗せます。
直径30mmの地板の半分くらいが香箱です。相当でかいです。venus188の香箱と同じくらいでしょうか。
一番受けを取り付け、輪列を載せます。
実はこの写真の四番車は向きが間違っています(^_^;
実はこの写真の四番車は向きが間違っています(^_^;
向きを直して秒カナ、秒カナ押さえを取り付け、輪列受けをセット。
一番受けの上の部品を取り付け、アンクルを取り付けて歯に注油。そしてテンプをつけます。
大きいテンワはスムーズに回り始めました。オイルを先につけて組み合わせておいた穴石受け石を
取り付け、バネで固定します。この受け石も他のロンジンと同様、透明でオイル拡散防止溝(推測)が
あります。テンプ側と地板側で微妙に違うんですよね。写真左がテンプ側、右が地板側です。
オシドリもカンヌキに合わせて頑丈にできているようです。
それらを組み付けて日の裏側は完了。
ケースに入れて完成です。風防の劣化が進んでおり、細かなヒビが目立つ部分があります。使えそうな
サイズの汎用風防は見つかりましたが、厚みが違うため雰囲気も変わりそうで、まだ交換していません。