ミネラルガラス風防の研磨

オーナーの自己満足を書き綴っているだけのため、基本的に読者の反応が薄い当ブログですが、

ガラス風防の研磨に関してはけっこうコメントが付きます。それだけ、みなさんも悩んで

おられるのだと推察いたします。

これまで、ガラス風防の傷の処理については、自分なりに手間と結果のバランスで妥協点を

探ってきたのですが、ようやくトータル90点レベルの方法を編み出すに至りました。

万人にお勧めできる方法ではないと思うのですが、同様な悩みをお持ちの方に多少なりとも

参考になれば、ということで、今回ブログにて公開することにしました。


では前置きはこれくらいにして、具体的な話に入りたいと思います。

今回俎上に乗るのは、前々回の「今日の時計」で登場したアクタスSSです。もともと傷がひどく、

水ガラスでごまかしていましたが、やっぱり我慢できませんでした。

ベゼルを外して風防を取り出し、水ガラスをはがします。
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全面に傷があり、深めの傷もたくさんあります。こんなにひどかったのか。

お手軽度を考えると、水ガラスにも捨てがたい利点がありますね。


これをいきなりキイロビンで研磨すると、いつ終わるかわからないってことになりますので、

前処理をします。風防全面を傷の深さ分削って、平らにするのです。

それに使う研磨剤は、これ。
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金剛砂の400番。これを鉄のお菓子ケースのふたに適量入れ、そこに風防を置いて

しゃりしゃりと削っていきます。
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風防の裏(作業中は上側を向いている)から傷の様子が見えますので、傷が

完全に見えなくなるまで削ります。今回の実作業時間は3分でした。

前処理作業完了後です。真っ白なすりガラスになりました。
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こいつをホルダー(フィルムケース)にホットボンドで貼り付けます。
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そしていよいよ、本研磨作業に入ります。使用するのは、本邦初公開wの両頭グラインダー。
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カインズホームに売っていた最安品です。右に厚い砥石、左に薄い砥石がついていました。

薄い砥石の横に、版画用として売られている板を丸く切ったものを重ねてセットしています。
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ちなみに、私は左利きです。右利きの方は、右にセットすることになると思います。

ちなみにちなみに、板が黒いのは青棒でケースをさんざん磨いた後のものを使っているからです。

この板に、写真手前に写っているキイロビンを適量塗布し、ガラス風防を押し付けて研磨します。

※キイロビンをたくさんつけても、周囲に飛散するか風防のエッジに積み上がるだけです。

ここからは感覚の世界になってしまうのですが、現時点で言えるのは

抵抗を感じる=研磨している

ってことですので、こまめにキイロビンを塗る、または水をつけるなどをするのが大事です。

また、思いもよらぬほどの抵抗がかかり、風防が吹っ飛ぶ、けがをする、などの可能性も

ありますので、十分注意が必要です。

また、かなり熱くなりますので、やけどや風防破損を防ぐため、頻繁に水で冷却します。


夜間なので室内での作業でした。シンクの上に置くと振動でうるさいため、右手でグラインダーを

ぶら下げた状態で作業しました。このため休憩も多めになりましたが、作業開始から

約2時間で完了しました。

その結果です。
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ホルダー(フィルムケース)についた状態では完璧と思ったのですが、外して光を

当ててみると、真ん中にちょっと凸凹が残っていました。まあ、銀文字盤だから

目立たないでしょう。それがオレ流ってことでw


今後の改善点

金剛砂はもっと番手の大きいもの(細かいもの)を使う・・・本研磨時間が短縮できるはず

本研磨時のホルダー形状を可能な限り風防形状に合わせる・・・今回、風防の真ん中の

凸凹が最後まで残ったのは、本研磨で風防の外周付近しか力がかかっていなかったためと

考えられるので、真ん中も含め全面均等に押せるようにしないといけない


今回の風防は、表裏とも平面でしたが、裏凹の風防の場合は割れ防止対策を

しっかりやる必要があります。

表凸の場合、どこまできれいに曲面を磨けるかが今後確認が必要な項目ですね。


ということで、今回はまずまず満足できる結果になりました。


そこまで苦労して研磨せんで、新品に交換すればええやん、という話もあろうと

思います。

しかし、自分の手で何とかしたいという想い、千円二千円で入手した時計の風防に

三千円、四千円かけることに対する複雑な想い、などがあるわけですね。

まあ趣味の世界ですから、本人が良ければすべてよしということで(^_^;



今回の内容が何かの参考になれば幸いですが、これをもとに同様の作業をして

けがや風防破損、その他の損害が発生しても、当方は一切責任を持てません。

自己責任でお願いします。これだけはくれぐれもご理解・ご了承をお願いいたします。


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