SEIKO LORDMATIC 23J 5606-7320の続き

今回は揺動レバーのその後です。

恒久的な対応についてはすぐ思いつくものではありませんので、とりあえず接着による応急処置を実施することにしました。

で、接着剤は何にするか、です。

ホームセンターに行って、接着剤コーナーを見てみますと、瞬間系、エポキシ系、ゴム系あたりに分かれますが、これってものがありません。

そんな中、「超強力」「つきにくいプラスチックにも」といううたい文句が目に止まりました。小さいモニターで宣伝もしている。

ほかにいいものがなかったので、裏の能書きをよく見ないで買ってきてしまいました。

家に戻ってよく見ると、中身はG17と同類のものみたい。一番頼りなさそうなゴム系ですよ。
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それでも、買ってきてしまったのでとりあえず使ってみましょう。

まず、揺動レバーを分解します。

私のところにあるポンス台セットのアタッチメントでやる場合、こうするしかありませんでした。
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シャフトには貫通穴があるので、そこに入る細いやつを台側に挿し、上はシャフトの径よりちょっと大きい穴が明いているものをセット。

慎重にハンマーで突きます。何とか分解できました。構成部品は次の通りです。
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ワッシャーはこれまでの作業でちょっと変形してます。ご注意ください。

そして、歯車と黒い爪を、買ってきた接着剤で接着します。

一晩おいてからようすを見てみたのですが、接着剤が全然固まってないんですよ。押せばぐにぐに動いてしまう。これじゃ、曜車を回すのが精いっぱいじゃないか。

というわけで、ほかに強力な接着剤はないのか、ネットで探しました。すると、今回使ったボンドの名前が出てきて、「超強力」なんて嘘、みたいなコメントがついてました。

そうだったのか( ;_; )

それでも、次の候補が見つかったのでポチり、到着を待つことに。

そんなことをしているうちに数日経過したのですが、放置してあった部品をチェックしてみたところ、前よりも固くなってます。

もしかしたら、これでも行けるかもしれない。

ということで、こいつを使ってトライしてみることにしました。レバーを元通り組み直して、日車押さえまで取り付け、動作チェック。
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その結果、切れているところのすぐ横の爪で送る時は爪が軸から剥がれるような動きをしますが、何度やってもその動き量は変化がないようです。

それ以外の爪で送る時は全く動きません。切れ目のすぐ横の爪を除去してしまえば、長持ちしそうな気がしましたが、やめておきました。

もっと時間が経てば、接着剤がさらに固くなって動かなくなるかもしれません。

禁止時間帯での動作確認は、怖いのでやめました(^_^;


そんなわけで、この時計はこのまま組み上げて、もうすぐ届く接着剤は別の機械に使うことにしました。

曜車をつけて、文字盤と針を付け、ケースに入れてローターを取り付け。
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裏蓋を閉めて、出来上がりです。
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揺動レバーの爪が切れただけで時計が使えなくなってしまうのは本当にもったいないです。何とかいい方法を編み出せないかなあ・・・
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