Waltham Rollmatic 100J

100石と言えばオリエントのグランプリ100が有名ですが、ウォルサムにもあったんですね。

頻繁に目にするものではないので、結構無理して入手しました。(購入してしまうと、その後は

けっこう目にするように思えるのは気のせいでしょうか?)
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文字盤の傷みが少し残念です。

かなり苦労して裏蓋を開けたら、けっこうひどいさびが発生していました。これじゃなかなか開かんわ。
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かなりさびているので、機械がケースから出てきません。やむを得ずちょっとこじりながら取り出しました。

裏蓋を開けてローターを見た瞬間、ここに大量のルビーが使われているのは分かりました。

それを直接拝むためにはローターの外周を覆っているカバーというのかガイドというのか、

リング状の部品を外す必要があります。

しかし素手では外れないのでコジアケを使いました。そして白日の下にさらされたローターはこれ。
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数えてみると、なんと42個の小さいルビーがぐるりと取り付けられています。

残りの58個はどこに使われているのか、興味津々です。

ローターの固定方法を見ると、これもASの機械のようですね。このところ、AS搭載機の分解が続いています。

ローターを外すと、見えたのは先日分解したばかりの緑馬41石とそっくりの機械です。
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日の裏側から分解し、表に移ります。しかし、58石もどこに使っているんだろうって感じです。緑馬より少ないのではないでしょうか。
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どんどんばらしていってたどり着いた自動巻きの伝え車は、緑馬では16個ルビーが使われていたのにこの機械はゼロ。
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あらためてローター以外のルビーを数えてみると、何度数えても17個です。残りの41個はどこに?

それはローターにありました。うすうす感づいてはいたものの、まさかそんなことはという思いが

あったのですが、やはりローター外周の裏表に42個ずつ、計84個が埋め込まれていたのでした。

ローター以外の石は確かに17個ですので、この時計は100石と表示されているが実際には

101個のルビーが使われている、というわけでした。ということは、単独世界一?

このサイトでは1個減らして100個に合わせてあると書いてありますが、今回分解した個体は

裏表ともフルにルビーがはまっていますから、timezoneのものはどこかで落ちてしまったんでしょう。

しかし、どうなんでしょうね、ただの飾り石ではないとはいえ、ローターに84%の石が

使われているというのは何か間違っているような気がします。

実際には裏側の42個はガイドに接触している気配はなく、表側も接触しているのは極一部と思われるので、

実質的にはほとんど飾り石とも言えますが。強い衝撃が加わった時には威力を発揮するんでしょうか。


機械自体は緑馬と変わらないので、問題なく組み立てました。ちょっと違うのは日車。

奇数日が黒で、偶数日が赤です。
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普通に使っていたら気づかない人もいるかも(いないか)。

ローターの裏側。最初は貫通穴に一個ずつルビーを押し込んであると思いました。
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でもそれだとかなり大きいルビーになるので、コスト面からあり得ないですね。

普通に組んだ機械に、ガイド兼スペーサーその①を取り付け、機留めネジで固定。

そしてローターを取り付け、その上にガイド兼スペーサー②をはめ込み、裏蓋を締めてできあがり。
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あまりきれいでない文字盤を何とかしようとしたのですが、ちょっと悲惨な結果に。

汚くても文字盤には触らないほうがいいのかもしれません。
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