傷だらけのガラス風防の傷消し
たくさんのジャンク時計をいじっていますが、風防はだいたい傷だらけです。プラスティックの
風防だったら傷消しは比較的楽ですが、ガラス風防の場合は傷を消すのはかなり困難です。
いくつかの方法を試しましたけど、ちょっとマシにするだけで力尽きます。
何か効率的な方法はあるのかもしれませんが、ヒントすら得られていない状況です。
そんな状態なので、以前も書いた通りクリアラッカーのスプレーを吹いて傷を目立たなくしています。
塗膜の強度は低いのですが、比較的簡単に傷を目立たなくすることができます。
しかし、乾燥が遅く塗膜が柔らかい状態が結構長い、乾燥しても爪でひっかくと痕がつく、つよく
爪を立てると剥がれるなど不満も多いのです。
だから、もっといいものはないか探していたのですが、先日少しまともなものを見つけたので
紹介します。
塗料の種類としては「常温液体ガラス塗料」というもので、メーカーサイトの記述を引用すると
「固形成分の大半が無機物のガラス、液体成分(溶剤)はエタノールなどのアルコール類です。
アルコール分は短時間で蒸発し、液体ガラス分は空気中の水分と反応し、ガラス膜として一体固形化
します」とのこと。硬化した後はガラスに近い物性を示すとのことで、期待はふくらみます。
さっそくお試しサイズ(それでも100ccあるので時計用だけでは使い切れないはず)を購入しました。
いきなり使うのは怖かったので、以前汎用品に交換したロードマチックの風防を実験台にしてみました。
その結果、
刷毛で塗っても乾燥後のムラがほとんどない
一回の塗布では塗膜が薄く、傷が隠れないので重ね塗りがmust
硬化後は、爪でいくら強く擦っても傷がつかない
ということがわかりました。
そこで、いよいよ稼働品に適用します。まずはテクノスのスカイライト。一度はラッカースプレーを
塗布したのですが、付けたまま寝たら布団か寝間着の模様が写ってしまったので、やり直しを
迫られていたところでした。写真はそのラッカーを剥がした状態です。
これにグラノールを3度塗りしました。次が乾燥後の写真です。
3度塗りくらいではまだラッカーに比べて塗膜が薄いためか、仕上がり(傷の隠れ具合)はラッカーに
及ばない感じです。
もっと塗り重ねればいいのかもしれませんが、失敗した時にラッカーのように溶剤で簡単に
落とせないので、この辺にしておきます。
注意点としては、塗った時に気泡ができていると、それはそのまま残ってしまうようなので、気泡が
できないように塗ること。もしできてしまった場合はピンセットなどでつついてつぶすこと。
その時にホコリなどの異物を落とさないこと。 こんな感じです。