OLYMPIA ORIENT CALENDAR SWIMMER 19J

文字盤の文字を上から読んでいくとタイトルの通りですが、裏蓋の刻印はOLYMPIA CALENDAR ORIENT

となっており、"ORIENT"はどこに入るのが正しいのか? オリエントの時計を見るたびに、正式名称は

何なのか考えてしまう毎日です。
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オリンピアカレンダーは、生産開始が1962年とされています。文字盤やケースのデザインからすると

50年前の製品とは思えませんが、パッキング付きスクリューバックは後期型らしいので、

この個体の製造年はもっと後の時代と思われます。それでも40年は経っていると思いますが。
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機械をケースから取り出し、文字盤を外しました。文字盤がしっかり固定されていない感触が

ありましたが、片側の干支足が取れていました(カレンダー11日の横)。干支足ロウ付けの設備・技術は

ないので、ここは補修用干支足を接着して対応します。
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日車を取りました。針の戻し送りで日付の早送りができる以外、変わった構造はありません。
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どんどんばらしていきますが、オシドリ押さえを外したら、裏押さえのバネが折れていました。

分解前の感触で予想はしていましたけど。さてどうしよう。
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とりあえず部品箱をかき回したところ、折れた同型の部品は見つかりましたが正常品は見つかりません

でしたので、別の部品のバネ部分をカットして貼り付ける修理にトライすることにしました。

これは、ゴールドフェザーの裏押さえで見た修理方法です。

そこで、ドナーとなる裏押さえを探すべく、ふたたび部品箱をかき回したところ、なんと

同型の未使用品が複数出てきました! 情けないことにさっきは見逃していたようです。


ということで、裏押さえ修理は次の機会に譲ることとして、今回は部品交換で対応します。
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部品洗浄後、組み立てていきます。今回も保油装置は外さずに洗浄しましたが、三番受けの保油装置

1箇所の内部にゴミの残留があったので、ここだけ分解してゴミを除去しました。

いつもと同様に注油しながら組み付け、表側は完了。
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古いオリエントの時計にはいろいろな(といっても確認しているのは3種類)耐震装置が使われている

ようです。この個体の場合はバネの足が3本のタイプで、「ルビーショック」と呼ばれていたようです。


次に日の裏側に移ります。新しい裏押さえなどを取り付け
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足を取り付けた文字盤
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を取り付け、針を挿してケースに入れます。
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風防にはヒビがたくさん入っているため、交換したいのですが合う部品がないのでやむを得ずそのまま

使います。手持ちの風防にオリンピアカレンダースイマー用があったのですが、外径が0.1mmほど

大きくて、使えませんでした。

ということで、とりあえず完成です。
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