SEIKO 5 ACTUS SS 25J 6106-8470
時計を買うのはやめた方がいいと思っているのですが、安いとついつい入札してしまいます。
普通のアクタスなら入札しないのですが、秒針規正付きで25石、黒文字盤、大柄なケース、安い、
ということで入札、そのまま落札となりました。
裏蓋を開けます。水分侵入はぎりぎりのところで阻止され、内部は良好な状態が保たれていました。
文字盤は、由来不明の粉にまみれていますが、大きな傷みはないようです。
日の裏側を分解していきます。カレンダーの早送りは竜頭を押す方式。浅押しで日付、深押しで
曜日。戻しきらずに途中からまた深押しすると曜日のみ早送りできます。
香箱の外周に擦った跡があります。
写真を取り忘れましたが、香箱が傾いて受けと干渉していました。香箱が傾いて受けやコハゼと
干渉している61系はよく見ます。
輪列です。金色のL字の部品はハックレバーです。
香箱を取りました。香箱真のホゾ穴周囲が半分摩耗しています。香箱が傾いて回っていた証拠です。
地板の材質が柔らかいのか、ゼンマイが強力なのか。それともメンテが足りずに油ぎれで摩耗したか。
これで香箱が傾き、受けと干渉したり地板のホゾ穴周囲を摩耗させたりしたわけですね。
さて、分解が終わったので洗浄して組み立てます。香箱真のホゾ穴は一応ポンス台で締めてあります。
その上に輪列をセットしました。
受けをかぶせ、香箱の傾きを確認。この時点では十分なクリアランスがあるように見えますが、
ゼンマイをほとんど巻いてない状態だからなので、使用中はもっと近づくかもしれません。
自動巻を組み立てて受けの上に取り付けます。ローターはケースに入れてから取り付けます。
日の裏側も組み付けます。この機械はかんぬきバネや躍制レバーバネが一体なので、なくす心配が
ないのはいいですね。
日車、日車押さえを取り付けて
文字盤と針を取り付け
ケースに入れてローターをつけて
完成。
ケースサイドの斜めの部分だけがヘアラインのように見えたので、それ以外は磨きましたが、
全面ヘアラインの方が合ってるかもしれませんね。取りきれなかった傷も目立たないだろうし。