ついに復帰 CITIZEN SEVENSTAR V2
先週定植した玉ねぎが全滅してしまったので、やり直しました。疲れた。
さて、約11ヶ月の時を超え、ようやく腕時計分解に復帰しました。今後ともよろしくお願いいたします。
今日の相手は以前ほのめかしたロードマーベル36000ではなく、シチズンのセブンスターV2です。これを選んだ理由は、リハビリのため今までに何度もやったことがあるものが望ましいと思ったことと、ケース研磨用の板を更新したのでそれを早く使いたいと思ったからです。
分解前の確認をします。外観はご覧の通りで、ケース・風防ともそこそこの傷がついています。
文字盤には結露の跡と思しき模様が。針も傷みが見られます。秒針は磨くつもりですが、長短針は白いラインが剥がれる可能性があるので(実績有り)、悔しいですがこのままにします。
機械の状態ですが、不動です。針回しはできますが、置き回りする時計のように軽い。
どんな問題が隠れているのでしょうか。
ケースから機械を取り出すため、ローターを外して巻真を抜きます。この時、異常に気がつきました。
一番受けが斜めになっているのです。3箇所留めているネジも、一箇所付いていません。
おそらく、受けを外したものの、戻せなかったのではないでしょうか。針回しが軽かったのは輪列がかみ合っていないため、二番車が空回りするからでしょう。
ないと思われた受けのネジは、機械を取り出したら見つかりました。
さて、風防ですが・・・傷を取ろうとして、グラインダーとキイロビンで研磨をしました。
しかし、作業の途中でぴしっとクラックが。またやってしまいました。この方法は、成功率が極端に低いです。
別のやり方を考えないといけません。風防の外径が30mmで、汎用風防の在庫があったのでそれを取り付けました。
カットガラスはV2あたりの特徴のひとつですから、フラット風防ではさびしい気はしますが、逆に視認性はよくなって時計としてはOKでしょう(強がり)。
では、機械の分解に入ります。まず針と文字盤を外します。日の裏は意外にきれいですね。
どんどん分解します。地板の外周部に付いているコハゼは、いつもなら分解しないのですが、錆びて動きが悪いので分解します。
続いて表側です。こちらも、どんどん外していきます。
一見、欠品はなさそうで、部品の不具合もなさそうです。
香箱ですが、中身はきれいな方ですね。巻いてみると、6周巻いたあたりでちゅるっとゼンマイが滑ります。そこから再び滑るまで1.5周ほど。
ちょっと多めのような気がするので、一度洗ってからD5を少なめに塗布。その結果、0.5周ほどに収まるようになりました。
ケースは、ひどい傷はないですね。エッジも残っています。ベゼルは一体型なので別工程研磨ができません。正面は円周ヘアラインですので、うまく磨けるかな。
部品の洗浄・乾燥後、組立開始です。
まずパラショックとコハゼ、オシドリを取り付けました。
この機械は角穴ネジがないので、巻真をつけないとゼンマイが巻けません。だから、巻真まわりを先に付けた方が良いのですが、ブランクが長いため忘れていました。
なので、表側から組み始めてしまいました。
まず、ハックレバー、輪列を乗せます。確か、受けをかぶせる前に取り付けなきゃいけない自動巻きの部品があったような気がするけど、これだったっけ?受けをかぶせてザラ回し。
ところが、ガンギ車が回らない。調べてみると、ガンギ車のホゾが折れていました(;_; )
幸い、部品取り用のジャンクがあったので、そこから移植。事なきを得ました。あらためて受けをかぶせてザラ回し。OKでした。
その後、アンクル、テンプを付けていきます。
普通はここで自動巻きの部品も付けるのですが、後でもできるので飛ばして表側に行きました。
遅ればせながら、巻真まわりから取り付けていきます。
ほかの部品も取り付け完了。あとは曜車のみ。この曜車はCリングが不要なので助かります。
カレンダーの動きを確認してから、文字盤と針を取り付けます。
ケースに入れて、ローターを含む自動巻きの部品を取り付けます。
一応、完成しました。
新しい研磨板は、効率は確かに上がりました。ただ、久しぶりのせいもあるでしょうけど、仕上がりについてはあまり変わらないかな?
エッジを残しやすいとは思いました。
久しぶりの作業でしたが、風防研磨を失敗したのは痛かったです。もっと低回転高トルクの機械を導入すればいいのかもしれませんが、今後の課題です。