TECHNOS Sky Light ETA2824

公開するのは3個目となるテクノスのスカイライトです。
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黒褐色のグラデーション文字盤が気に入って落札しましたが、

ベゼルが切れているのには気が付きませんでした(^_^;

裏蓋にはメダリオンがありません。メダリオンがないと安価で終了する傾向があります。
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裏蓋を開けます。裏蓋とケースの合わせ面の傷みがないのは珍しいです。

機械はETAの2824。かなりきれいですね。
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これまでのスカイライトは2472と2522でしたので、全部違うCal.ということになります。


さっそく分解に入ります。ケースから取り出して針と文字盤を外しました。。

こちらもとてもきれいです。
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分解を続けます。
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表側に移ります。分解前は不動の状態だったのですが、テンワの取り付け位相がずれていて

振り石がクワガタに止められている状態でした。なぜなんでしょう?
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自動巻きモジュールを外し、部品を全部外します。
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香箱はやや油が切れている感じがしました。開けてみるときれいですが、分解洗浄することにしました。
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さて、この時計で一番の懸案、切れたベゼルをどうするかですが・・・

ベゼルを外しても風防が落ちる気配がないので裏から押し出したところ、意外なことが判明。

ベゼルで風防を固定するのではなく、最近の時計と同様、樹脂ガスケットで

風防を固定するタイプのようです。これなら、ベゼルはとりあえずついていればいい。

だいぶ気が楽になりました。
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ベゼル切れ対応案として、先日の45KS香箱修理で実績を上げた粉末ハンダを使うことにしました。

接着強度を上げるために、切り口を斜めに削ってハンダが入るスペースを作ります。
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そしてハンダ付け。余分なハンダは削り取ります。
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しかし、切れ目にはうまくハンダが回ってくれてません。こりゃだめかもしんない。


さて、洗浄後は組立です。地板に緩衝装置を付けたついでに、今回は巻真回りの

部品を先につけてみました。
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そして表側に移って輪列を取り付けます。
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受けをかぶせてザラ回しをやります。
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問題ないのでエピラム処理したアンクルを取り付け、丸穴車、角穴車を取り付けて

アンクルの動作チェックをします。
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OKなのでテンプをつけ、緩衝装置を取り付け、動作確認後に再び日の裏に戻ります。
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巻真回りの取り付けから日車取り付けまでは部品があまりないので、写真もありません。
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日車押さえをつけて文字盤、針を取り付けます。文字盤、針はけっこう状態がよいです。
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ベゼルをケースに圧入しようとしたら、やっぱり簡単に切れてしまいました。

古い切り口を削って新しい面を出す程度のことはしないとだめでしょう。

でもとりあえずついていればいいので・・・もっとも安直な方法を取りました。

そんなケースに機械を入れて、あらかじめ組み立てておいた自動巻きモジュールと

ローターを組み付けて
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完成しました。
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この個体で、分解が終わったスカイライトは3つ目となりますが、切れたベゼルの部品取り用に

落札したものなどあと2個あります。元々は12角コンステの代わりにと買ったものですが、

これだけ増えるとうっとうしくなるだけでなく、12角コンステもどうでもよくなってしまうという

嬉しいやら悲しいやらの心境になっています。