CITIZEN COSMOTRON 4-480341Yを分解する
今回はシチズンのコスモトロンを分解します。初めて電池駆動時計を分解することになります。
不勉強で申し訳ないですが、一口にコスモトロンと言っても、種類はかなりあるようですね。
今回の4-480341Yは、電磁時計だからかもしれませんが、厚みが12mmあって
三針としてはちょっとごついです。
青い文字盤に秒針の赤が映えます。落札に当たってはこの点が一番のポイントでした。
入手時の状態は、お約束の電池切れのため不動。電池はSR43タイプ。本来は1.35vの
水銀電池を使うようですが、水銀電池の製造中止後は酸化銀電池が使われたようです。
これがいいとか悪いとかの議論もあるようですが、事実上選択の余地はないのでSR43を用意。
外観はそれほど悪くありませんので、磨きの手間は少ないでしょう。
分解を始めます。文字盤はかなりきれいです。針は夜光部分が一部変色していますが、
まずまずでしょう。
どこにどんな部品がどうついていたか、特に電気回路とテンプまわりについては慎重に撮影しながら
分解していきました。順番はちょっとめちゃくちゃと思います。
部品点数は意外に少ないです。洗浄後組み立てを開始します。
輪列を地板に載せます。各部品の形状や並び方は普通の機械式とそっくりですが、ガンギ車に
相当する部品だけはちょっと違いますね。
受けをかぶせます。これが結構難儀しました。
写真を見ながら、テンプと電気回路を取り付けます。
日の裏側に移り、端子を固定します。このバネは竜頭操作による電源のon/offと
カンヌキの戻しバネを兼ねているみたいですね。
巻真まわり、カレンダーまわりの部品を取り付けます。
日車をつける前に取り付けなければならないスペーサーがあるので要注意です。
また表側に戻り、電池を取り付け。恐る恐る竜頭を押し込みます。
実は今回、電池まで用意しておきながら、分解前の動作チェックを忘れたことに分解中に
気付いたため、完成しても動かない可能性があるという恐怖が常に付きまとっていたのですが、
いよいよクライマックス!
テンワ、動くことは動きましたが、ふにゃふにゃと今にも止まりそうな動き。でもまだ希望はあります。
分解前の写真を見るとわかるのですが、緩急針、ひげ持ちの位置が不自然。
だからまともに振動しないのだろうと推測。位置を変えてやったら振り角が増えたので、
一安心。細かい調整は後で。
文字盤と針を取り付けて
ケースに入れてビートエラーや歩度を調整して
完了しました。
ふたつ気がかりな点が残っているのですが、ひとつはガンギ車相当部品に注油は必要なのか?
ということ。音叉時計の同部品には注油不要というのは見つけたんですが、電磁テンプは
どうなのかというのが探し出せませんでした。なので、いつも通りの注油をしました。
もうひとつは、振り角が200゜程度しかないこと。ガンギ車相当品に注油したせいなので
しょうかね? まあ、仕様上でも最大250゜程度だというので (これは間違いで、技術解説書によると
250゜~290゜が仕様上の振り角とのこと) 、200゜が極端に少ないと
いうわけではないと思いますが (200゜は少ないですね(^_^;)・・・