SEIKO Sportsmatic 5 21J 6619-8140
スポーツマチック5はつい先日やったばかりですが、機械が違います。前回のは7619(-9030)で、
今回は6619(-8140)です。
機能面での違いは、7619が日付の早送りを専用の押しボタンで行うのに対し、6619は竜頭を
押し込むことで早送りする点です。曜日の早送りができない点は同じです。
この時計、偶然にもシリアルNo.の上4桁が前回の7619と同じ。だから何だと言われてしまいそう
ですが、それだけです。
それにしても、えらく汚い時計です。風防は3時あたりに白くクラックが入っているので、
交換したいと思います。確か、同じサイズのものがあったはずです。
裏蓋を外します。機械はきれいでした。防水性能が生き残っていたおかげでしょうか。
針と文字盤を外したところです。日車のフォントは一桁の時、10台、20台、30台でかなり変わる
ものがありますが、これは1から31まで安定したバランスを維持していると思います。このフォントが
けっこう好きなんです。
曜車を外します。日車押さえにルビーが三つ。曜車がスムーズに動くようにつけられたものと思います。
この機械は、生産性の理由だろうと思いますがカレンダーを受ける部分が別部品になっています。
右上の油は香箱からしみ出してきたもの。
日車の部品を全部取ったら、今度は表側です。
自動巻、受けを外しました。
自動巻の裏側です。
香箱の分解前に、こんな風にしてスリッピングアタッチメントの滑り具合を確認します。
巻き上げ切ったところからさらに巻いた時の抵抗が結構大きく、滑りが悪いことが伺えました。
分解が終わったら洗浄(パーツクリーナー→メタルクリーナー→アルコール脱水→ドライヤー乾燥)し、
組立開始です。輪列側から組み付けていきます。
四番車はアガキ調整用の小さな座金がついているタイプです。忘れずに取り付けます。
四番車の注油については、実は組み立てた後で問題が発覚しました。わかってしまった以上、
このままでは気持ちが悪いので、後でやり直すことにします。詳細は後ほど。
受けを取り付けてざら回し、角穴車を取り付けてアンクル取り付け、動作チェック後、注油して
テンプ取り付け。
あらかじめ組み立てた自動巻モジュールを取り付けて、表はほぼ終わり。
日の裏に移って、部品を組み付けていきます。
磨いたケースに入れて
完成。
風防は、適用機種は合っているのに形状がちょっと違い、外形も微妙に大きいようでベゼルが
入らないので、やむを得ず少し削りました。テンションリング付きのタイプではないので、
国鉄ホーマーの時のようなどつぼには填りませんでしたが。
さて、四番車の注油についてです。
今まで、四番車の注油箇所は受け側の穴石と先端の段差部分と思いこんでいました。ETAの
オイルチャートや機械の断面図を見て、地板側で受けているのがそこだったので、どの機械も
同じと思い込んでいたのです。
しかし、この機械はアガキ調整用の座金が入っている。ということは、ここが地板側(二番受け)と
接しているはず。でもそこには注油してないんですよ。
不安になった時に思い出したのが、先日手に入れたセイコー技術手帳。これの注油箇所一覧を
開いてみました。すると、注油箇所は3カ所あることがわかりました。ひとつは輪列受け側のホゾ、
二つ目はまさに今問題視している座金の部分、そして先端に行く途中の双こぶ部分。
やはり、座金のところに注油が必要だったのです。
今回の時計に限らず、今までずっと四番カナの首下には注油してきませんでした。まずかったかなあ。
折を見て、少しずつやり直していくしかないかなあ。