SEIKO PRESMATIC HI-BEAT 30JEWELS

今回はセイコーのプレスマチックです。ヤフオクで某業者から落札したものです。

外観は風防を含め、あえて手を入れることもないかな、と思うレベルです。

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OH済みとのことでしたが、「OH済み」があまり当てにならないことは感じていましたので

期待していませんでした。それでも、とりあえず使ってみようということで一日使用したところ、

動作には問題なかったもののパワーリザーブが24h程度しかないことがわかりました。

今まで手をつけたセイコーの時計は感覚で95%が40h以上ありましたので、何かおかしいと

思わざるを得ません。そこで裏蓋を開けたところ、何となくほこりっぽい感じがありました。

耐震装置のオイルもありません。
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業者さんのOHの定義を知りませんが、一般ユーザーが考えるOHの定義に当てはまる作業がされた

時計ではないことは確かです。ということで、分解掃除する理由ができました。

ケースから機械を取り出して、分解開始。針と文字盤はまあまあです。日の裏も部品の破損は

なさそうです。
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分解を進めていきます。
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次に表側を分解します。香箱に汚れが乗っていますね。
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さらに分解を進めていくと、予想以上に汚れがひどいことがわかりました。
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どの口がこれをOH済みと言うのでしょうか。まあ、ジャンクに毛が生えた程度の落札額でしたから

損したとは思いませんが、オークションの商品説明の「OH済み」が当てにならないことが半ば常識に

なっているので値も上がらなかったんでしょうね。

輪列受けの裏側です。部品がいっぱいついています。ここもけっこう汚れていました。
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分解した部品は、パーツクリーナーで下洗いします。いつもは継ぎ足しながら全部洗いますが、

今回は汚れがひどいので途中で液を交換せざるを得ませんでした。ガンギ車、四番車の保油装置内には

汚れのこびりつきがあり、この後の超音波洗浄ではきれいにならない可能性があります。

その時は外してきれいにするしかありませんが、このバネは嫌いなんですよね・・・


洗浄が終わりましたので組立開始。ダイヤショックをつけて、注油してから最低限の巻真まわりを

取り付け。
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ひっくり返して輪列その他を組み付けます。その上に受けをかぶせますが、かぶせる前に部品を

全部取り付けなければなりません。
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地板のダイヤフィックスはきれいになりましたが、受けのダイヤフィックスの一つがきれいに

なりませんでした。仕方なく分解しましたが、本当にヒヤヒヤしながらの作業でした。

これをかぶせ、アンクルを取り付け、ゼンマイを巻いてアンクルチェックし、テンプを取り付けます。
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自動巻の部品を取り付け、とりあえず表側は終わり。
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日の裏に移って残りの部品を取り付けていきます。この機械特有の構造満載で、部品点数は多いし

馴染みがないので、分解時の写真と首っ引きです
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曜車は二週間で一周します。瞬時切り替えなので回転量を減らすための意味もあると思います。
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曜車の裏。歯が14枚あります。先のシチズンオパールは7枚でした。
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ケースは結局ベゼルと裏蓋に手を入れました。そのケースに機械を入れて
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完成です。
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汚れはひどいものでしたが、部品の損傷はなく快調に動いています。

今回も香箱にはメービスの8200を使いましたが、前回のような「抜群」さを感じませんでした。

滑りはじめの感触があまり変わらないんです。分解洗浄前よりはいいんですがね。



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