12/25の時計

今年の出勤最終日の時計はセイコーマチックRでした。このRは、セイコーマチックの中でも一番好きなモデルです。
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なぜなのか、ちょっと考えてみました。

まずケース。ごく普通のデザインですが、繊細さを感じます。正面とサイドの稜線の面取りが小さめだからですかね。
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針の仕上げが、KSやGSと遜色ないと思います。台形断面の針はとてもかっこいいです。
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正面は平面度が高く、研磨してめっきをかけているのでしょう。

プレスで打ち抜いてめっきしただけの針とは違います。日車の数字のフォントも好きですね。
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しかし、なんと言っても一番大きいのは緩やかな曲面を描いたボンベダイヤルです。

こんな文字盤の時計も好きですね。
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こういう、変曲点のRがきついのは今ひとつですね。
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昔の時計はボンベダイヤルが多かったように思いますが、機械の方もボンベダイヤルに対応して山型をしていました。
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現行の機械は、薄型化や多機能化のため山型のものはありませんから、ボンベダイヤルにしようと思ったら大型の文字盤にして機械の外側で湾曲させるか、逆に小さい機械(=婦人用)を使って外側を湾曲させるしか方法がありません。

セイコーマチックRの機械は8306Aですが、これは山型ではありません。ただ、日車の外周から機械の外周までスペースがあり、そこが平らになっているため、一番高い曜車、わずかに下がったところにある日車、そしてさらに低い機械の外周部と、ボンベダイヤルを使える形状になっています。
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もともとそれを狙った設計なのかもしれません。

ところで、ボンベって何のことなんでしょうか。ちょっとweb検索した限りでは、ボンベダイヤルのいわれについて書いてあるページは見つかりませんでしたので、いつものように妄想に近い推測をしてみました。

ボンベを辞書で引くと、広辞苑等ではドイツ語由来でいわゆるガスボンベのことだと書いてあります。英和辞書を引くと、フランス語で家具がふくらんだ状態を表す
形容詞とあります。

どう理解したらいいか悩んでしまいますが、いずれにしても、「ボンベの底に似ている」、「ふくらんだ家具に似ている」と考えると、まあそんなこと言っても怒られないかな、くらいには思えてきますね。