SEIKO SPORTSMATIC Sea Horse 17J 6601-9990

今日の時計はセイコーのシーホース17J。シーホースといえばクロノスですが、この時計の文字盤には

SEIKO AUTOMATIC, Sea horse WATERPROOF DIASHOCK 17JEWELS

とあるだけでペットネームが書いてありません。
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裏蓋にはタツノオトシゴの図柄がなく、Sea horseとも書いてありません。
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どういう素性なんでしょうね。特別に珍しいものでもないようですが、あまり詳しい情報はみつかりませんでした。


風防はヒビが入っていますので交換します。外径が34mmですが、このサイズはいくつか在庫があります。
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スポーツマチック用と書いてあるのがこの2種類だったので、この中から選ぶことにしました。外径は同じですが、ケースに合うのは左側でした。
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裏蓋を開けます。機械は6601B。ピンクページによれば、Aもあるようですが、違いは不明とのこと。
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また、おもしろいことに、この機械はウォルサムやUTCというブランドに供給されていたそうですね。どんな時計だったんでしょう。


では、針と文字盤を外して日の裏側から分解していきます。
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巻真周りはとてもシンプル。6619とほぼ同じようです。
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続いて表側です。ローターは外してあります。
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マジックレバーです。基本的な構造は一切変わらず今に至っているのはすごいですね。
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今までマジックレバーの時計をけっこう分解してきましたが、自動巻きが壊れた時計に出会ったことがありません。耐久性も抜群なんでしょう。

一度、オリエントでレバーが曲がっていたものがありましたが、修正はききました。

輪列です。香箱がやや小さく感じます。
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四番車には小さなワッシャーがありますので紛失注意です。
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香箱です。スリップ状態は悪くありませんが、いっぱい巻いたところから戻す時にキリキリという感触があるのと、香箱内のゼンマイの隙間が不自然なところがあるため、久しぶりにゼンマイを取り出すことにしました。
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不自然な隙間の原因は、スリッピングアタッチメントが香箱径に対して長いように見えるのと、先端の曲げがきついところかと思いますが、さて・・・
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部品を洗って組み立て開始。香箱は自作8201改を塗布してゼンマイを入れ、スリップチェックをしたところ、何周か回していたらキリキリはなくなりました。隙間はそのままです。

巻き上がりまで6周でしたので、パワリザは40時間くらいか。ピンクページには38hと書いてあります。


地板にダイヤショックをつけて注油します。
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輪列を組み付けます。ガンギ車はエピラム処理しています。
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ザラ回しがOKなので、角穴車、エピラム処理したアンクル、テンプを取り付けます。
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日の裏に行って巻真周りを取り付けます。文字盤、針をつけて、磨いたケースに入れます。
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恥をさらすようですが、風防取り付け後、ベゼルを圧入する際に風防にヒビを入れてしまいました。どうも未使用風防取り付けはヘタです。

見えない部分なので良しとしましたが・・・

予め組み立てておいた自動巻きのモジュールを取り付け、ローターを取り付け。
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竜頭のOリングがなくなっていたので、適当なものを付けておきました。防水性はないでしょうけど、ゴミの侵入くらいは防げるかな?

裏蓋を閉めて完成。
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文字盤は全体的に変色が始まっていますが、インデックスや針がきれいなので、十分です。
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初回使用でのパワリザは、約40時間でした。