BULOVA ETA AUTOMATIC

まん丸ケースの次は横長ケース。裏を見れば普通の丸形と同じですが。
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レトロな家電製品みたいなデザインにシビれて入手。オリエントが出しそうなデザインですね。

モデル名は「ETA」なんでしょうか?SWATCHグループのETA? Estimated Time Arrival?

BULOVAとして最初にETAの機械を使ったシリーズ? 謎は謎を呼びますが、これくらいで。


横長ケースはちょっと前にダイヤマチックをやりましたが、それよりもこちらの方が好みです。

不動とのことでしたが、確かにいくら振ってもぴくりともしません。最近はハズレの確率も

だんだん上がってきていますので、今回はどうなのか、おそるおそる裏蓋を開けました。
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さびがほとんどないケースの中に鎮座していたのはETA2836-1で、状態は良好に見えますが、

テンワはつついても往復運動をしません。固着か致命傷かはこの段階ではわかりませんので

とりあえずどんどん分解していきます。
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前回のボラゾンと似た構造ですが、曜日付きの瞬時切り換えカレンダーですから、日の裏は

やや複雑。でも似た機械は何度かやっているので不安はありません。分解の後、洗浄まで一気に行きます。
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さて、ここでケースに目を向けます。構造はゾディアックのSST36000と同じく、文字盤が

機械側とケース側にそれぞれあるタイプ。ケースを超音波洗浄機にかけるため文字盤を外したいのですが

風防を外さければなりません。

風防はベゼルで挟まれて固定されるタイプではなく、パッキングではめ込まれているだけですが、

そのパッキングが劣化しているので、再利用はおそらくできないでしょう。風防を外した後の再固定を

どうするか、あれこれ考えている時に内側から風防をちょっと押したら、簡単に外れてしまったので

後戻りはできなくなりました。
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洗浄と軽い磨きの後、まずはOリングでの固定にトライしましたが、長さがうまく合わず最後が余ったり

苦労して入れてもガラスがすぐ外れたりしたので断念。

次の手は、これ以外にはもう手がないのですが、コーキング剤を塗り込むこと。ケースに風防をセットし、

位置決めをしながら隙間に塗り込んでいきます。一通り塗り終わったら、はみ出したコーキング剤を

粗取りして固化を待ちます。一晩置いて、薄く残ったコーキング剤をウェスで拭き取り、何とか

完成。ちょっと位置がずれてしまいましたが、あまり目立たないのでOKとします。
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このケースに機械を収めてできあがり。

ローターの動きがちょっと渋いのが気になります。ローターベアリング自体の動きが渋いのは確かですが、

ワインダーではほとんど巻き上がらないだろうと思われるくらい動きが悪いです。

似たような仕様のETA2789-1はこんなに渋くなかったはず。ベアリングや切換車には注油をしたんですが。

ちょっと様子を見て、あまりに巻き上げ効率が低いようだったら対策を考えます。


この時計には音叉マークのブレスが付いていました。買いあさっているのはジャンクばかりなので、

ブレスがない場合がほとんどですが、付いていても傷みがひどかったり私の手首には短かったりして

だいたい使えません。

しかし、この時計はそのまま使えました。こういうのはラドーのパープルホースに続いて2例目です。
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その後、しばらく使いましたがやはりパワーリザーブはかなり短く、24時間程度であることが

わかりました。十分手巻きをすると、40時間程度は動いていますので、やはりローターの動きが

よくないのが原因の一つだろうと思い、外して再注油しました。

しかし、全然変わりません。あまり意味もなく爪楊枝に差して回していたんですが、ちょっと強く

押し込んだら部品が取れてしまいました。やばい、ボールが飛び散る!

と思ったら、何も起こりません。よく見るとボールベアリングではなくメタルベアリング

だったようです。知りませんでした。
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十分油を差すくらいしかできることがないので、注油後再度組み付けて一日使ってみましたが、

結果はむしろ悪化してました(^_^; 手首から外した後12時間くらいしか動いていません。

いっそのこと新品の2836-2に交換したろかとも思いましたが、芸がないのでやめることに。

しばらくはこの機械と格闘することになるかもしれません。