ROLEX DAYTONAって書いてある時計のその後


直った!と思ったら止まったパチデイトナのその後です。

止まることは止まるのですが、1日に一度止まるかどうかという頻度。

止まる直前の様子が知りたかったので、タイムグラファーに乗せて、その画面を

デジカメのタイムラプス機能を使って止まる瞬間をとらえようとしたのですが、

時計が止まる前に電池切れでデジカメが停止してしまうので、撮影は断念。

止まった時は秒針がいつも同じ位置であることから、どこかにバリかゴミがあって

そこで引っかかるのではないかと推測しましたが、分解して歯車を一つ一つ

確認してもそれらしきものは見つかりませんでした。


そこで、今度はオイルではなく乾燥潤滑にトライするため、部品を一度洗い直し

ました。そして軸に二硫化モリブデン粉末をなすりつけます。

オイルの粘性による抵抗を減らしてやることが目論見だったのですが、モリブデン

うまく広がってくれず、塊のままになってしまいます。だめかもしんないと思いつつ、

組み立てて秒針だけ挿して様子を見ました。

一晩たっても動いていましたが、午前中ちょっと外出しようとした時に見たら

止まっていました。やっぱりだめか。

しかし、帰宅後オイルを注そうと思って時計を見ると、なぜか動いています。

勝手に動き出したのか、出かける前に見たのは見間違いだったのか。

よくわかりませんが、いずれにしてもモリブデン粉末だけではちょっと心配なので、

オイルを注して組み直しました。

このままでは以前と何も変わりません。そこで思いついたのは文字盤。

これまで分解した時計に、文字盤を機械に密着させるようにして干支足を

ねじ留めすると止まってしまうものがありました。今回の機械も、干支足押さえを

押し込んだ時に止まったのです。その時はテンワに触ってしまったのかと思った

程度でしたが、今思うと干支足が若干入りにくかったので、そのまま固定した

ことでサブダイヤル変換モジュールにひずみが出て、秒針が止まってしまったのでは?

と推測。因果関係があるのかどうかはあまり根拠がありませんが、今のところ

これくらいしか思いつきません。

ということで、文字盤がすっと取り付けができるようになるまで、干支足の角度を

ほんの少しずつ修正しました。取り付け時も文字盤を機械側に押し付けない状態で

干支足留めを押し込みました。

この状態で秒針だけ付けてしばらく観察。問題なさそうなのですべての針を挿して

ケースに入れ、最終確認にはいります。主ゼンマイを目いっぱい巻いて、

クロノを起動したまま放置。約50時間後、主ゼンマイがほどけるまで動いていました。

これで第一関門はクリアしたと判断、次は普通に使用してみます。

その結果、主ゼンマイ解放による止まりを除いて1週間動き続け、その後の放置では

48時間経過後も動いていることから、巻き上げ効率も含め、問題なさそうです。

とりあえずこれで作業完了とし、明日持ち主のもとに返すことにします。


「止まったら持ってきてね」とのコメント付きで。

戻ってこないといいな・・・



ここからはおまけみたいなものですが・・・

今回の時計の部品で、今課題となっているパワリザに関する動画を撮影してみました。

次の動画はいつも通りちょこちょこっと洗っただけの状態です。


これだけでもよく回っているように見えるのですが・・・

しつこいくらいに超音波洗浄やクリーナー中での回転を繰り返すと、次のようになります。 
(生活騒音がものすごくて申し訳ありません。)

停止するまでの時間が約2倍になってますし、手の揺れのため完全に停止しません。

これが巻き上げ効率に影響しないはずがありません。

今後の作業では、ローターの洗浄もしっかりやらなければなりませんね。