LOYAL PRINCE Automatic 41jewels DATEJUST

ようやく、という感じでしょうか。最後に分解したのが昨年の11月後半でしたから、もう半年過ぎていることになります。

ゴールデンウィークが始まる前には、休み中に2個くらいはやれるかな、なんて考えてましたが、結局ここまできてしまいました。

途中、何件か場つなぎの記事を書いたりしましたが、ほとんどが投稿のタイミングを逸して没になってしまいました。

今回の投稿をきっかけに、また通常運転に戻れればいいなと思います。


さて、今回はロイヤルプリンスという、初めていじるブランドです。
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守備範囲のデザインではありますが、入札する決め手となったのは「41 JEWELS」という表記。

41石の機械というと、私の知る限り、ラドーのグリーンホースに載っているASの機械しかありません。

ASの機械は他にも30石や57石のをいくつもいじってきましたが、41石は30石や57石に比べると手巻きの感触がよいと感じます。

構造はほとんど同じように見えるのに、なぜだかわかりませんが・・・

それと同じ41石が、このロイヤルプリンスにも載っていると勝手に考えたのが入札のきっかけ。

外観はそれほど悪くありません。ガラス風防は傷少な目ですが、ひとつだけかなり深いものがあるため、全面研磨が必要でしょう。

状態は不動で、振っても動きません。竜頭を回すと非常に軽く回ります。ゼンマイ切れとも違う感じ。

裏蓋を開けました(機械は予想(期待)通りASでしたが、グリーンホースとは違う1701でした)。

目に飛び込んできたのは外れた角穴車。これなら竜頭が軽く回るのも道理。
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角穴車ねじが緩んで外れてしまったようです。ねじは見通せるところにはありませんが、分解中に出てくるだろうと楽観。

もしなくてもドナーからもらえばよいでしょう。


ケースから機械を取り出そうとしたら、パッキングがドロドロになっているため外れません。

仕方がないのでベゼルを外して押し出しました。ドロドロのパッキングは中枠とケースにべっとり付着しています。

パーツクリーナーで拭き取ろうとしましたが意外に頑固。

パーツクリーナーが速乾性で、すぐ乾いてしまうため拭き取りにくいと思われます。

そこでシールはがし剤を使ってみたら、楽々落ちました。


文字盤はまあまあですね。一部汚れがありますが、気にならないレベルでしょう。

12時位置にはエッジの効いたアプライドマーク。ケース形状、裏蓋のマーク(メダリオン?)など、割とよくできているように見えます。

LOYAL PRINCEという名称がどうしても雑貨時計くさくて気になりますが、安物時計ではなかったのかもしれません。


さて、いつもならまずケースの研磨から始めますが、今回は角穴車ねじの行方が気になりますので、機械の分解からはじめます。

いつもの通り、日の裏側から分解していきます。
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文字盤に書いてある通りデイトジャストですが、早送り機構はないので構造は簡単です。

それにしても、デイトジャストって言葉はロレックスのものじゃなかったんですね?

続いて表側です。自動巻きモジュールを外し、輪列を外します。
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ここで角穴車ねじを発見!やっぱりありましたね。

油はすっかり乾いています。香箱の中もすっかり乾いていましたが、香箱内は別にして汚れやサビなどは少なかったです。
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洗浄用ベンジンの追加や入れ替えなく全部品洗えました。


次にメタルクリーナーで超音波洗浄します。

ベンジン洗浄だけで済めば楽なんですが、細かいごみが部品の表面に残ってしまうんですよね。

すすぎ用ベンジンを贅沢に使えばいいのかもしれないけどそうもいかないし、メタルクリーナーを使うとめっきがぴかぴかになって気持ちいいので、面倒ですけどメタルクリーナーを使ってます。

洗浄が終わったら組み立てです。地板に受け石をつけ、注油してから自動巻き用の角穴車をつけます。
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ここの構造が1700シリーズなどの特徴ですが、ここに16個のルビーがついて、機械の25個とあわせて41個という数になっています。

久しぶりのせいか、ガンギ車のホゾがなかなか入らず苦労しましたが、受けをかぶせてのザラ回しは問題なし。

そしてアンクルをつけてアンクルチェック後、テンプをつけます。
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ルビーを取り付けたら、予め組み立て済みの自動巻きモジュールを取り付け、表側はひとまず完了。
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日の裏側は比較的構造が簡単ですので、久しぶりの組立ではありましたがあまり迷うことなく取付ができました。
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カレンダー送りの動作チェックをしてから文字盤と針を取り付け、組み立てたケースに入れます。

そして、中枠を入れてローターを取り付けてOリングをいれます。
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Oリングは適当なサイズがないので、長いものを切って入れました。

当然防水性はありませんが、入れないと機械が中でがたつくので、押さえのためだけに入れています。


ということで、半年振りの分解が無事終わりました。久しぶりながらミスらしいミスはなく終えることができました。
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もう一個くらいやったら、6時秒針の7750をいじろうと思います。